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オンラインセミナー「在日コリアンの私が中国でビジネスをする理由」を開催しました2021.01.21 | 

 2020年11月21日にオンラインセミナー「在日コリアンの私が中国でビジネスをする理由」を開催。
 講師の金聖人(キム・ソンイン)さんは、在日コリアン3世として日本で生まれ、現在は中国で日本の顧客に向けたBtoBのビジネスを展開しています。
 また、2019年からはYouTubeを通して、重慶市を中心として中国の文化や社会情勢について情報発信も行なっています。

 今回は、在日コリアンとしてのアイデンティティを自覚するようになった経緯や、中国でビジネスをするに至った経緯、ビジネスをしながら感じる所感などを語ってもらいました。

さまざまな国での経験を語るソンインさん

さまざまな国での経験を語るソンインさん


 多くの内容の中から、要点を抜粋します。

―まず自己紹介
■在日コリアン3世として京都で生まれる。祖父の代が日本にわたってきて、生活を始めた。

■民族教育は受けずに、日本の小中高大に通う。

■自分が在日コリアンということに気づいたのが中学生のとき。キッチンで母親に「自分はハーフだよね」と聴いたときに「あなたは純粋なコリアンだ」と言われ、初めて自分が在日コリアンだということを認識。法事が多いなどの他の生徒との違いを感じることはあれど、在日コリアンということを特別意識することはなかった。

■大学生、19歳の時のアメリカへの2週間の1人旅が大きな転機。高校からアメリカの海外ドラマを見るのが好きで、大学の時に渡米。当時はガラケーの時代で、地図も持たずに往復のエアチケットのみ買っていった。

■現地で長距離移動の際、ある駅員に”Show me your ID”と言われ、クレジットカード付きの学生証とパスポートを見せた。しかし、それぞれに書いてある名前が違うから買えない、と言われ、「在日コリアンは通名と本名が2つある」ということを説明したが、結局買うことができなかった。その時から自身のアイデンティティについて強烈に考えるようになる。

■2011年、東日本大震災当時、韓国では李明博政権で、急激に日韓関係が悪くなった一方、文化面では韓流ブーム。その中で学生として、文化交流と東北の復興支援の意味を込め、日韓文化交流フェスティバルを行った。企業に協賛をもらい、募金などで得た収益を東北の被災地まで届け、そこで交流することをやった。

■大学卒業、2年間日本で働く。その2年の間にGPFの海外支援プログラムに参加をする。その後、中国へ。

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大学時代の震災復興プロジェクトについて紹介

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GPFの海外支援プログラムでは、インドネシアの地方集落にソーラーランタンを届けるプロジェクトを行なった

―初の中国、そして、定住。妻との出会い
■学生の時から海外での仕事をしたいと思っていた。経済的にはこれからアジアの時代がくる、その中心は中国だ、ということを思い、中国へ。

■1年語学学校に通った後、企業に就職。今の妻はその時に一緒の企業で働いていた、2018年、再度中国にきて結婚。起業して今に至る。

■事業は日本の顧客に対して、仕入れ、買い付け、国際発送の代行をしている。インターネットで自社サイトを持っている方などが対象。中国での服、靴を代行で仕入れて、発送。重慶で3名、上海で5名の社員を抱えている。

■2019年からYouTubeを開始。YouTubeでは重慶のグルメ、中国人のローカルの生活を自身のフィルターを通して撮影。ちなみに重慶は内陸の地方都市だが、人口3000万人と大規模で、経済も発展している。

―質疑応答
■政治的な締め付けが激しいと聞くが、中国国民の状況や話を周りから聞くことはあるか。
―政治圧力に怯えて暮らすことは、一般の人はほとんどないのでは。義務教育の中で政治の批判をしてはいけないとなっているので、日常会話で政権に対する意見を言うことはあまりない。しかし、抑圧されていると言う感じもしない。
また、経済の発展、恩恵を受けることが多い。家賃、電気、水道、ガス、全てアプリ一つで解決してしまう。経済についても、市民が5~10年前に比べると豊になっている。政権、政治に関してあまり不満がない、というような感じではないだろうか。
インターネット上で情報規制がある、と言われているが、例えば”Weibo”(中国版twitter)でも政権批判はある。それを政府が削除するが、追いついていない。

■なぜ重慶を選んだのか?
語学学校に通っていて、卒業間近の時に重慶の貿易会社の社長と知り合う機会があり、就職。その会社は、日本の抹茶など特産品を仕入れて、中国全土に販売する、と言うことをしていたが、そこで妻と知り合って結婚。

■中国国内でスピーディな資本主義化を経験したことはあるか。
ある意味、日本より資本主義ではないか、と思わされる。格差が非常に開いている。経済も大きくなっているし、収益を得るチャンスも多い。どんどん新しいサービスも増えて行っている。
中国は14億人の人口と、国土は日本の26倍。インターネットが発達し、一つのサービスが当たると、ものすごい流行り方をする。それをチェーン展開して、全国に展開する、と言う店は多くある。
また、一個人が起業をするのは日本に比べたら簡単だと感じる。諸々の規制が少なく、例えば飲食店の開業も日本に比べると手続きが少ない。

■中国でのビジネスをする上での難しさは?
まずは言語。そして、中国でのしきたり、商売の習慣を覚えるのに苦労をした。名刺の渡し方やあとは接待の仕方についても、日本とは大きく違う。中国の接待は一日をかけて行う。まず、信頼関係を築いてからビジネス、と言う考え方が強い。
また、日本人が思う以上に、中国人は日本に対して憧れがある。環境やサブカルチャーなどを通して、ほとんどの人がいい印象を持っている。

■香港の国家安全維持法についての周りの人の反応は?
―非常に難しい。中国人からすると、香港は元々中国のものだという認識があるが、香港の人は150年のイギリス植民地を経て、自分たちは香港人だ、という誇りがあり、文化的にも中国とは全く違う。
また、大陸の人たちにとって香港は憧れ。大陸が文化大革命時代に、香港では映画、街並みが発展しており、それは大陸からすると憧れ。市民感情的には嫌悪感もないし、憧れを持っている。

■国民のアメリカに対する意識は?
―トランプ政権になり、中国との経済摩擦が起こったが、「アメリカ人」に対する嫌悪感はないように感じる。また、大統領選挙においても、トランプ氏を応援する人が一定数いた。貿易に対しては。人種問題については、差別を助長するということであまり評価をしていない人もいる。
また、安倍元首相についても高評価。退任の際にはWeibo上で、「お疲れ様でした」というメッセージが多く見られた。菅元官房長官の下でビザ発給緩和によって観光客が増加し、市民交流が増えたことにも評価をしている人は多い。

 などの内容が話し合われました。

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