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6月22日に「アジアの歴史を歩く〜新大久保編〜」を開催しました2024.06.25 | 

今年4月に始まった”歩く”シリーズの第2回「アジアの歴史を歩く〜新大久保編〜」が6月22日に行われ、様々な国籍から成る16名が参加しました。
このシリーズは、都内の歴史的な名所を歩きながら巡り、その場所に固有に根付く歴史や文化に触れるとともに、国籍や文化の違いを超えた共通性、普遍性についても学ぶことを目的としています。

案内役は、前回に引き続きアジア・インスティチュート理事長およびGPF上級研究員のエマニュエル・パストリッチ氏、さらに朝鮮半島問題に詳しいジャーナリストの五味洋治氏が担当しました。

李秀賢(い・すひょん)氏の顕彰碑の説明をする五味洋治氏

ツアーは五味氏による、2001年1月に発生した”新大久保駅乗客転落事故”についての解説でスタート。線路に落ちた男性を助けようとして亡くなった韓国人留学生・李秀賢(い・すひょん)氏を追悼・顕彰するために、ホームから出口へと続く、たくさんの人たちが行き交う階段の壁面を選び、事件を伝えるプレートを設置したというエピソードを伝えました。

新大久保の街の景色の移り変わりについて語るパストリッチ氏

一方パストリッチ氏は、自身の祖先が1900年代初頭にアメリカに渡った頃と同じような現象が日本にも起きていることに言及し、このイベントを通じて多文化の新たな可能性を感じたいと話しました。

その後参加者たちは、多文化共生社会を体感する新大久保の各場所を訪問しました。

移動しながらのおしゃべりも楽しみの一つ

①ジャンナット ハラールフード

創業者のライハン・カビール・ブイヤン氏が店の歴史などについて説明

20年近い歴史を持つお店の前で記念撮影

バングラデシュ出身の事業家、ライハン・カビール・ブイヤン氏が2006年12月に開店。ブイヤン氏曰く「日本国内で一番スパイスを取り揃えているお店です」とのことで、その数はなんと40種類以上あります。

②新宿八百屋

1日およそ1700人の方が訪れるという「新宿八百屋」

1日およそ1700人の方が訪れるという「新宿八百屋」

約16年前に問屋から店舗に鞍替えした「新宿八百屋」社長は日本人ですが、スタッフはベトナムやネパールなど海外出身者が中心で、当店を訪れるお客さんもその9割が外国籍。そのため「接客で日本語はほとんど使わない」とのことです。今年初めごろまでは24時間営業だったが、現在は7時〜24時の営業時間となりました。

③東京媽祖廟

新大久保の街を歩いていると突然、荘厳な建物が。これが「東京媽祖廟」

日本人ボランティアの方が丁寧に説明してくれました

媽祖(まそ)とは航海・漁業の守護神として、中国沿海部を中心に信仰を集める道教の女神のことで、それを祀る媽祖廟が中国や台湾、東アジア各地にあり、日本にも点在しているそうです。東京媽祖廟はそのひとつで、台湾出身の事業家が「媽祖様のお告げにより」新大久保の地を選び、2013年に建立した。縁結びやインスタ映えのスポットとして、華僑だけでなく日本人も多く訪れるとのことでした。

④高麗博物館

説明に耳を傾ける参加者の方たち

この日最後の訪問地は、新大久保と歌舞伎町の境目に位置する”高麗博物館”。日朝交流史の正と負の両面を伝え、互いの信頼関係を築き、東アジアの平和につなげることをねらいとしています。この日はハンセン病の罹患により隔離された在日韓国・朝鮮人の苦しみと闘いについてご説明いただきました。

全ての行程を終えた後、有志が参加した懇親会が行われました。長年にわたり五味氏と交流のある料理研究家・朴賢子(ぱく・ひょんじゃ)氏が経営する韓国料理専門店「テ〜ハンミング」で乾杯し、朴氏が厳選したお料理を味わいながら、交流を楽しみました。

 

料理研究家でもあるパクさん

自慢の料理に舌鼓

6月末の暑い日だったにもかかわらず、多くの方に参加いただき、「日韓や日朝の交流史だけでなく、様々な国々から日本に来て事業や活動をされている方々の姿まで見ることができ、力をいただきました。大変有意義なツアーでした」との声がありました。

これからも様々な文化を肌で感じられる場所を、歩きながら学びを深めていきたいと思います。

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