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2024 ワンコリア国際フォーラムを開催2024.11.01 | 

2024ワンコリア国際フォーラム参加者たち

北朝鮮のウラン濃縮施設の公開や南北統一の放棄など、朝鮮半島問題が注目を集める中、その解決策を模索する「2024ワンコリア国際フォーラム」が9月27日にフェアモント・アンバサダー・ソウルで開催されました。今回のフォーラムには専門家、政策立案者、市民活動関係者など約500名が集い、朝鮮半島の自由統一と平和構築に向けた議論が行われました。

当フォーラムはGPF、AKU、One Korea Foudationが主催し、韓国統一部の後援を受けて実施。「自由で統一されたコリアに向けたコリアンドリームのビジョンと方向性」をテーマに、経済、平和、人権など多岐にわたる視点から統一への課題にアプローチしました。

フォーラムは以下のセッションで構成されました。
オープニングセッション
第2セッション:「自由統一コリア – 朝鮮半島危機解消と東北アジア地域の恒久平和の道」
第3セッション:「自由統一コリアのための海外同胞の役割」
第4セッション:「北朝鮮住民の自由と人権向上戦略」
第5セッション:「統一と経済繁栄」
特別セッション1:「統一と砂漠化防止の国際協力」
特別セッション2:「自由統一韓国のための在韓外国人の役割」
特別セッション3:「自由統一韓国のための東南アジア地域協力」

開会挨拶中のジェームズ・フリン世界会長

9月27日 午前10時、オープニングセッション開始。ジェームス・フリンGPF世界会長は開会挨拶で「朝鮮半島の危機が深刻化する中、当フォーラムの意義は極めて特別だ」と述べ、歴史的で前向きな統一論を期待すると強調しました。

韓国国会副議長のチュ・ホヨン氏はフォーラムへの祝辞で「『広く人間世界に益をもたらす』という弘益人間の精神を基盤とするコリアンドリーム統一運動のビジョンを中心に、今日の統一への不信感が解消され、これを契機に平和で永続的な朝鮮半島統一の新時代が開かれるよう、参加者の皆様の知恵を結集してほしい」と呼びかけました。またキム・ヨンホ統一部長官はビデオでの祝辞で「今回のフォーラムは単なる一団体のイベントではなく、私たち全員にとって朝鮮半島統一が進むべき方向を新たに示す非常に重要な場になる」と強調しました。

続いて、朝鮮半島問題に関連する専門家グループによる特別講演。中国人民大学のスー・ハオ教授は「朝鮮半島の統一は、文化の共有化に立ち返る必要がある」と語りました。北朝鮮自由連合代表のスーザン・ソルティ氏は「脱北者は統一を成し遂げる上で重要な資源である」と強調。アメリカン・エンタープライズ研究所ヘンリー・ウェント政治経済学講座教授のニコラス・エバースタット氏は「統一にかかる費用への懸念は過度であり、経済的潜在力を考慮すればその費用を賄うことは難しくない」と述べました。

基調演説を行うヒョンジン・プレストン・ムン議長

当フォーラムを主催したGPFのヒョンジン・プレストン・ムン理事長は基調演説で、フォーラムの意義と「コリアンドリーム」を中心とする朝鮮半島統一への方向性を提示しました。ムン理事長は「統一への認識の変化は驚くべきもので、韓国人が使命を自覚し始め、コリアンドリームが重要な役割を果たしてきた」と述べ、海外同胞の参加も広がっていると強調しました。

さらにムン理事長は「コリアンドリームを北朝鮮住民とも共有し、民間や企業などすべての分野を網羅して1959年に構成された『国家統一委員会』の役割を推進するために協力してほしい」と訴え「理想的な国家モデルの建設がいかに重要かを再確認し、歴史的使命を実践しよう」と呼びかけました。この演説には参加者から大きな拍手が送られました。

朝鮮半島の安全保障に関する議論が行われた第2セッション

オープニングセッションに続き、午後からはテーマ別セッションが行われました。第2セッションでは「自由で統一されたコリア」をテーマに、朝鮮半島の安全保障と東北アジアの平和について議論が交わされました。
地球村平和研究所代表のキム・ペクサン氏は「北朝鮮の核問題解決には体制変革が必要」と指摘し、実用的な方法論の提示を強調。デイビッド・マックスウェル GPF上級研究員は三国安保協力の進展を評価しつつ”統一”への停滞を指摘しました。

前モンゴル国連大使およびNGO”ブルーバナー”会長のジャルガルサイハン・エンクサイハン氏は、統一の形態や影響について「どのように公平な統一が可能か、統一された朝鮮半島が中立国となる可能性があるか、西側諸国やアジアのどちらに近いかを考える必要がある。強力な統一国家の誕生について周辺国がどのように捉えるのか。このような形で統一が進むと新たな内戦が誘発され、現状よりも危険になる可能性がある」と分析。

ハドソン研究所日本特別フェローのイソザキ コウメイ氏は「韓国主導の統一が、日本、および朝鮮半島周辺の他の米国同盟国にとって最も望ましいシナリオだ」と述べました。

第3セッションの座長を務めたラ・インギル代表

第3セッションでは、朝鮮民族共同体の役割と各国での統一運動の戦略が議論されました。
韓露ディアスポラ協会のポリーナ・チャイ氏は「高麗人はどちらか一方に偏らないバランスの取れた視点で統一に貢献できる」と述べ、イ・ヒョンスンGPF北朝鮮戦略主席委員は「脱北者は単なる統一の象徴ではなく、統一を具体的に実現する核心的な主体であり、彼らの活動を積極的に支援して朝鮮半島の統一を進める必要がある」と強調。

クァク・ビョンフンGPF Japan北東アジア平和構築プロジェクト担当は「在日同胞は帰還事業という時代的な痛みを克服し、朝鮮半島の統一に向けて多様な声を上げ、役割を果たしてきた。この経験を基に日韓の若い世代が共に統一運動を実践するべきだ」と述べました。

AKU英国本部顧問のハ・ジェソン氏は「2025年にロンドンで統一行進を計画し、英国全体で朝鮮半島統一への関心を広げていく」と語りました。

第4セッションの司会 キム・ドンス民主平和統一諮問会議常任委員

脱北者でAKU日本代表の川崎栄子氏も参加した第4セッションでは、北朝鮮住民に自由と人権の基本価値を伝え、希望を与えるためのアプローチや、統一コリアの基盤づくりについて議論が行われました。
北韓民主化ネットワーク研究委員のキム・ヨンファン氏は「北朝鮮体制の根本的な変化には国際社会の協力が必要」と指摘。北朝鮮自由連合会長のスーザン・ショルティ氏は「韓国人と国際社会の関心が北朝鮮人権問題解決の鍵」と述べました。

北朝鮮人権委員会上級研究員のロバート・コリンズ氏は「連座制や人権抹殺が続く北朝鮮で、外部世界への接触を活用し変化を促すべき」と強調。北朝鮮戦略センター代表のカン・チョルファン氏は「金正恩政権の終末に備えた統一準備が急務」と述べました。

統一と経済に関して議論された第5セッション

第5セッションでは、南北統一時の経済的コストと発展可能性について議論が交わされました。
アメリカン・エンタープライズ研究所ヘンリー・ウェント政治経済学講座教授のニコラス・エバースタット氏は「統一による新たな経済機会を認識すべき」と指摘。高麗大学校教授のナム・グァンギュ氏は「統一は周辺諸国との経済交流を促し、経済特区を基盤に新たな発展を推進できる」と強調しました。

中国およびグローバリゼーションセンター副事務総長のアン・タン氏は「統一により人口問題が緩和され、東北アジアで経済的活力が生まれる」と述べ、持続可能な成長の可能性を示しました。

2024ワンコリア国際フォーラムの参加者たちの記念写真

本会議後、「統一と砂漠化防止の国際協力」「自由で統一されたコリアのための在韓外国人の役割」「自由で統一されたコリアのための東南アジア地域協力」という3つの特別セッションが並行して行われました。

砂漠化防止セッションでは、北東アジア地域の協力の取り組みが朝鮮半島統一にどのように活用できるかが議論されました。
「自由で統一されたコリアのための在韓外国人の役割」セッションでは、在韓外国人を通じて統一の必要性を広めるための議論が行われました。

東南アジア協力セッションでは、アジア地域で徐々に政治、経済、軍事的分野での影響力を拡大している東南アジア諸国との朝鮮半島統一に向けた協力の多様な方策が議論されました。

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