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稲刈りカップで育んだ気仙沼との交流 | 2026.10.21 | Program 1.日本国内の多文化共生の推進
2013年の出会いから震災15年の節目へ フィリピンの仲間と共に歩んだ日々
2026年10月9日から12日にかけて、GPFJapanは、グローバル・ピース・リーダーシップ交流プログラム(GPLE)で訪日したフィリピンの教育関係者らとともに、宮城県で防災に関する国際交流プログラムを実施しました。東日本大震災当時、気仙沼消防署の指揮隊長であった佐藤誠悦さんが主催する最後の「稲刈りカップ」への参加や被災地での学びを通して、東日本大震災の経験を未来の命を守る取り組みにつなげる機会となりました。
2013年の訪問から始まったつながり
GPFJapanと気仙沼の交流は、2013年、後藤亜也代表理事が多文化共生のプログラムのために現地を訪れ、地域で暮らすフィリピン女性にインタビューしたことをきっかけに始まりました。その訪問で佐藤誠悦さんと出会い、被災地を案内していただきました。
地域の方々の暮らしや震災の経験に触れた後藤代表理事は、その翌年の秋、関東在住のフィリピンの仲間とともに稲刈りに参加しました。一度の訪問から生まれた出会いは、毎年顔を合わせ、共に汗を流す交流へと育っていきました。2013年に始まった取り組みは、農作業や文化交流を通して被災地との関係を育む場として続いてきました。
![]() 2013年8月、気仙沼でフィリピン女性にインタビューする後藤亜也代表理事 | ![]() 2014年10月、フィリピンの仲間と参加した稲刈りでの交流 |
歌と和太鼓を通して続いてきた交流
2014年の稲刈りに参加した在日フィリピン人歌手のヨランダ・タシコさんは、その後も毎年、稲刈りカップに参加してきました。歌声を通して会場を盛り上げ、地域の皆様とフィリピンの仲間を結ぶ存在となりました。
10月9日 東北大学で防災の知見に触れる
今回のプログラムでは、10月9日、東北大学災害科学国際研究所を訪問し、防災や災害リスクに関する知見に触れました。大学での説明や発表を通して、日本とフィリピンの経験を共有し、教育機関が地域の安全に果たす役割を考える機会となりました。
台風や地震などの災害に繰り返し直面するフィリピンにとって、日本の経験は身近な課題に結びつきます。参加者の所感では、日本の町内会などが支える地域のつながりと、フィリピンの相互扶助の精神「バヤニハン」に共通する力も指摘されました。
![]() 東北大学で災害復興に関して説明する佐藤誠悦さんとマリ・エリザベス教授 | ![]() フィリピン国連協会会長のノナ・S・リカフォート博士による災害対策に関するスピーチ |
10月10日 震災遺構で命を守る備えを学ぶ
10日は、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館などを訪れ、津波の被害を伝える建物や展示を見学しました。参加者は、語り部の説明に耳を傾けながら、災害時の判断と避難、そして日頃の備えについて考えました。
![]() 震災遺構で語り部の説明を聴く参加者 | ![]() 津波によって気仙沼向洋高校の校舎3階まで流されてきた車 |
佐藤誠悦さんは、震災当時、気仙沼消防署の指揮隊長として救命・消火活動に当たりながら、津波で妻の厚子さんを亡くされました。大切な人を失った悲しみを抱えながら続ける語り部の活動は、被害を繰り返さないために経験を伝える歩みでもあります。
被災地で学ぶことは、施設や被害の規模を知ることにとどまりません。一人ひとりの命に家族と日常があったことに向き合い、その経験を自分たちの学校や地域での備えにどう生かすかを考える時間となりました。
10月11日 最後の稲刈りカップに集う
11日、気仙沼市で開催された稲刈りカップには、地域住民や国内外からの参加者ら約150人が集まりました。震災から15年の今年が稲刈りカップ最後の開催となり、多くのメディアの注目を集めました。
参加者は田んぼで稲を刈り、新米を味わい、バレーボールや、歌・踊りを通して交流しました。長年訪問を続けてきた人々と、新たに加わった仲間が同じ場所に集い、復興の歩みを支えてきたつながりを確かめる節目となりました。
![]() 田んぼで稲刈りに取り組む佐藤誠悦さん | ![]() あぜ道に設置したステージで千代園剛さんが和太鼓演奏を披露 |
![]() フィリピン代表団が大学生チームとバレーボール交流 | ![]() フィリピン代表団のダンスで大盛り上がり |

稲刈りカップ最終回に集まった参加者たち
夜の交流でも文化を分かち合う
夜には、南三陸ホテル観洋で交流と演奏の時間が持たれました。和太鼓の演奏や参加者による歌などを通して、昼間の活動で生まれたつながりがさらに広がりました。
![]() ホテルロビーの交流会で歌を披露する長谷川ひろ子さん | ![]() フィリピン代表団とともに歌うヨランダ・タシコさん |
国籍や言葉の違いを越えて、共に汗を流し、食卓を囲み、音楽を楽しむ。そうした時間を重ねる中で、気仙沼を訪れる人々と地域で迎える人々との間には、互いを身近に感じ、心を通わせる絆が育まれてきました。最後の稲刈りカップは、共に歩んできた年月を振り返り、出会いと交流への感謝を分かち合う、心温まる機会となりました。
気仙沼で長年にわたり稲刈りカップを主催してこられた佐藤誠悦さんをはじめ、活動を支えてくださった地域の皆様、そして日本各地から集い、交流を深めてこられたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。この場で育まれた絆と互いを思いやる心は、これからも国や地域を越えて、人と人をつないでいくことでしょう。

稲刈りカップでの5交流に感謝を込めて
(左から、敬称略:千代園剛、近藤教子、友部シャーリーン、佐藤誠悦、長谷川ひろ子、ヨランダ・タシコ、後藤亜也)















