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Vol.30 2025年12月22日号 | 2025.12.22 |
🕊️GPFナイジェリア支部が「国家開発のための平和報道」ワークショップ を開催しました。


ワークショップの様子
このワークショップは、倫理的な報道が平和と国の発展の基盤となるという理念のもと、ナイジェリア通信記者組合コレスポンデンツ・チャペル、GPFナイジェリア、カドゥナ州情報省が主催として関わり、約30のメディア団体、コミュニケーション学者、政府機関、民間社会の代表者が参加しました。
本プログラムは、報道が単に出来事を伝達する役割にとどまらず、社会の分断を防ぎ、対話と信頼を育むための重要な公共的責任を担っているという認識のもとで実施されたものです。
ワークショップでは、紛争に配慮した表現、事実確認の徹底、誤情報への対応、平和的取り組みを可視化する報道の重要性などが共有され、参加した記者たちは、自身の報道姿勢や倫理観を見直す機会を得ました。
また、カドゥナ州は、キリスト教徒とムスリムがほぼ半数ずつ居住する、ナイジェリア国内でも宗教的多様性が極めて高い地域です。同時に、過去には宗教間の緊張や暴力的衝突も経験してきた、言葉と情報の扱いが社会の安定に直結する地域でもあります。

「We are Nigerians」「We are One Family under God」のバナーを掲げるクリスチャンとムスリムの参加者
このような場所で「倫理的報道」を正面から扱うプログラムが実施されたことは、単なるメディア研修ではなく、宗教や民族の違いを超えて共に生きるための“平和のインフラ”を整える取り組みとして大きな意味を持ちます。
報道は、恐怖や不信を増幅させることも、相互理解と和解を促すこともできる存在です。キリスト教徒とムスリムが日常的に隣人として暮らすカドゥナ州において、報道関係者が「対立を煽らない言葉」「尊厳を損なわない視点」を学ぶことは、地域社会の安定と共存に不可欠な要素と言えるでしょう。
ワークショップ後、参加したジャーナリストたちは、紛争に敏感な報道と倫理的原則の理解が深まったと述べ、今後は情報の検証や社会の異なる立場の声を強調する意欲を示しました。
(文責:GPF Japan国際部長 飯田和広)
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