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オンラインでもできること、オフラインでないとできないこと2020.05.25 | 

 新型コロナウイルスの影響により、様々な面でのオンライン化が進みました。リモートワークが一気に普及したことにより、小池都知事の公約の一つであった「満員電車ゼロ」が期せずして達成してしまいましたし、オフィスに行かなくてよくなってストレスが減ったと思う人も多いようです。

 4月の自殺者が大幅に減少 職場・学校に行かなくて済むのが大きい
 https://sustainablejapan.jp/2020/05/14/japan-suicide/49463

 経営面から考えても、大きなオフィスを維持する管理コストを見直すところも多いでしょうし、今後オフィスの縮小や都心からの移転が進むことが予想されます。そうなれば、こちらも長年大きな問題となっていた東京一極集中(都市部の過集積)も緩和されるかもしれません。

 他にも、他の国と比べて遅れていると指摘されていた行政手続きのICT化やオンライン教育なども進むことが期待されます。
 もちろん、デバイスや通信環境によってかなりの格差が生じる懸念もあります。家に自分の部屋があり、ブロードバンドの通信環境でPCを使って学べる子どもと、親のスマホを使って、通信制限を気にしながら学ぶ子どもでは当然大きなデジタルディバイドがあります。公教育でオンライン教育を進める場合は、デバイスやルーターの貸し出しなどのサポートも必要になってくるでしょう。

 このように「コロナショック」は悪いことばかりではありませんが、ZoomやNetflixなどのオンラインツールやコンテンツを提供する企業がウハウハな一方、身体的接触を前提にしたオフラインのプログラムを提供するところはまさに冬の時代です。
 もちろんその代表的なものは旅行・観光業ですが、ワークキャンプを行っているNPO・NGOや、子ども向けに体験プログラムを提供している団体などでも、存続の危機に瀕しているところも少なくありません。

 キャンプ、スポーツ、習いごと。新型コロナで危機に陥る「子どもの体験」を守り抜けるか
 https://cfc.or.jp/study/yusukeimai03/

 では、様々なものがオンラインに代替されていく中で、オフラインでないとできないこと・得られないものは何なのでしょうか?
 もちろんその多くは言語化され難いものなのかもしれません。ただ、今こそ言語化できるものは言語化し、その価値や意義をこれまで以上に積極的に発信していかないと生き残れないのです。
 顔を突き合わせ、同じ時間と空間を共有し、一緒に作業し、何かを作り上げる中でしから生まれない喜怒哀楽の感情や人と人とのつながりは、もしかすると昔以上に貴重で価値がある(手に入りにくい)ものになるかもしれませんね。

 少なくてもGPFの提唱する「家族的な関係の形成」をオンラインでだけで進めるのは、今のテクノロジーでは難しそうです。

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