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ワンコリア国際フォーラム:アイルランドの経験からの示唆2019.01.25 |
2018年11月27日、アイルランドのダブリンにあるCroke Parkにて、”ワンコリア国際フォーラム:アイルランドの経験からの示唆”が開催。グローバル・ピース・ファウンデーション(GPF)、コーペレションアイルランド、グレンクリー(Glencree)、そしてアクション・フォー・コリア・ユナイテッド(AKU)が本フォーラムを主催しました。
英語での全文はコチラからご覧いただけます。
本フォーラムは、北アイルランドとアイルランド、韓国の平和構築に携わる参加者、宗教指導者、政治家が参加し行われました。
フォーラムの中では、歴史の洞察や平和構築運動、アイデンティティに対する観点、人権、民族自決、価値観の共有、地域社会や自発的なグループの貢献などのテーマでディスカッションが進行。それぞれを
1.統一前
2.統一の過程
3.統一後
の時間軸の中で議論しました。
今回の議論はアイルランドで行われましたが、アイルランドと南北コリアは、その統一の過程に置いていくつかの点で類似しており、アイルランドの例を南北コリア統一や平和構築に活用することが可能です。
まず、イギリスと日本からの支配を経験した点や、その後、1921年にアイルランドは英国によって、1945年に朝鮮半島はソビエト連邦とアメリカと言う外交勢力によって正式に分断されたりするなどの共通点があります。
GPFとAKUやそのパートナーは、朝鮮半島のこのような様々な分断を超える方法を統一コリアの建設であると主張します。
統一前の段階では、
・グローバルな意識の向上
・市民社会の役割
・一つのビジョンの重要性
・若者やリーダシップの重要性
などのテーマについて議論が進行。朝鮮半島における南北コリアの統一のプロセスでは、コリアンが民族自決の意識を高め、中国やロシアなどの周辺国や、アメリカといった大国とグローバルな意識で協力する必要性が語られました。
また、アイルランドに置いて、平和構築の歴史は市民社会の支援があったことを踏まえ、南北コリアの持続的な平和構築には、韓国の市民団体のようなネットワークが北朝鮮にはなく、ミクロレベルで平和が持続されるための市民団体の重要性が話されました。
また、同時に統一前には、国民を一つにするビジョンと、若者のリーダーシップが必要であることが共有されました。南北コリアには、古朝鮮の建国に置いてビジョンとされた「弘益人間 Hongik Ingan=人類のより大きな利益のために生きる」というの精神に基づき、未来を担う若者がリーダーシップを取ることが強調されました。
統一の過程においては、
・タイミング
・互いの共通点を探る
・統一のプロセスで生じる様々な事象への恐れへの対処
といった点が重要であると話されました。柔軟性を持ちつつも、統一が促進されるようなタイムラインや戦略構造が必要であること。また、韓国人と北朝鮮人は言語の他に、文化的にも当然の事ながら多くの共通点があり、それらの共通点を探りながらアイデンティティを共有していくことの重要性が話される一方で、韓国民が抱く経済的不安やおそれへは、アイルランドからの示唆なども元に対応していく必要があると述べられました。
そして、統一された後に必要となるものとして、
・過去への対処
・市民社会の役割の認識
・二国間の力の不均衡への対応
・法とインフラの整備
が挙げられました。
二国が分断したという事実と、北朝鮮で行われてきた人権侵害に対する説明。また、政治的に統一された後で、統一や共存のための意識を市民に浸透するための市民社会団体の役割の重要性が強調されました。
また、韓国と北朝鮮の力学関係は当然考慮される必要があり、それは経済体系から政治体系まで、多岐に渡ります。その対応も急務であることに注目する必要があると議論されました。