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ワンコリア国際フォーラムが開催されました2020.10.14 |
今年8月15日、午前8時からオンラインで開催された「2020ワンコリア国際フォーラム」の第二段として、9月30日にワンコリア国際フォーラム—自由で統一されたコリア:北東アジア地域における非核化と経済的統合に関する協力関係―が開催されました。
モンゴルの前国連大使であり、モンゴルを核兵器のない状況を作るための戦略の事業計画立案者であるジャガルサイカン・エンクサイハン氏は、「北東アジアにおける核兵器のない地帯(NEA-NWFZ)を築き、北朝鮮に対し、統合的で信頼できる「ミニ・マーシャルプラン」を提供するようにすることは、北東アジア地域全体の安全保障の向上や発展にとどまらず、朝鮮半島にとってウィン・ウィンの関係をもたらすことになります。アメリカと北朝鮮、両国が朝鮮半島における安全保障上の脅威を解決する、このような大胆な考え方を採用する必要があります。核兵器を排除する手段を含めてです」と語りました。
ワンコリア国際フォーラムの第二回にあたる今回は、「自由で統一されたコリア:北東アジア地域における非核化と経済的統合に関する協力関係」と題して、朝鮮半島や北東アジア地域における非核化と経済的統合の問題が、2つの同時進行するセッションで(それぞれ)議論されました。約35人の安全保障の専門家、経済の専門家、政治学者たちが韓国、中国、日本、イギリス、フィンランド、ロシア、インド、モンゴル、そしてアメリカから集まり、朝鮮半島の74年にわたる分断を解決するという視点でこの2つの問題について分析しました。
「我々の非核化と経済的統合を求める試みは、朝鮮半島の統一と共に追求されるべきものです」と語るのは、ワンコリア財団の創設者兼議長である柳在豊(リュ・ジェプン)博士です。「非核化・経済的統合・朝鮮半島の統一は別々の目標ではなく、同じビジョンのもとに相互に関係しあい、依存しあっているのです」「政府や大規模な多国間の機関がゆっくりとしか動けないなら、朝鮮半島の経済的統合に関する、お互いの国にとって平和的で生産的なフレームワークを可能にするような計画を予備として考えておくようにすることは必須です」と柳氏は強調さいました。
GPF、アクション・フォー・コリア・ユナイテッド(以下、AKU)、ワンコリア財団、ブルー・バナー(エンクサイカン氏が議長を務めるモンゴルのNGOで核の非拡散を目的としている)の後援で、このフォーラムではNEA-NWFZ(北東アジアにおける非核兵器地帯)を確立していく展望について話し合われました。
このNEA-NWFZが実現されれば、北東アジアはロシア・中国・アメリカから安全を担保された地帯となり、「冷戦後におけるフレームワーク的」地域の協力関係を意味する非核化による戦争抑止と経済発展を同時に進めていくことを意味します。
エンクサイカン氏は、「北朝鮮にNEA-NWFZが法的にも政治的にも信頼に値すると確信させる上で、ロシアと中国が安全を保証することは重要でしょう」と語り、「非核化による戦争抑止を拘束約定とすることによって、それはまた北東アジア地域における核兵器の増強レースを防ぐことになるでしょう」と付け加えました。
ロシアからフォーラムに参加した、イーストウェストインスティチュート モスクワ所長のブラディミール・イバンボブ博士は、「ロシアがポジティブで長期的な関係を北東アジアに影響を及ぼす大国のほとんどと結んできた事実と、NPT(核非拡散条約)の実現に深く関わってきたことは、朝鮮半島における平和的プロセスを強く保証していく材料になる可能性があります。ロシアと中国が朝鮮半島における非核化に関して共同で政策を開発していることに言及しておくことは重要です」と説明しました。
北朝鮮の1994年の核危機の際、アメリカの折衝担当のトップであり、行政軍事問題の国務次官補であったロバート・ガルッチ博士は、「過去70年間、朝鮮半島における戦争状態の再開か否かが国際社会の関心を集め続けていました。簡単に言えば、『NWFZ』(非核兵器地帯)を他の国々にも広げていくことができれば、国家の安全を計算・考慮する上で核兵器が突出した要素になるということも減っていくだろうということです」と語りました。
経済的な機会
同時進行されていたセッション、「北東アジアにおける経済的統合戦略」では、北東アジアにおける経済的発展の展望について検証されました。北東アジア全域と貿易上のつながりも強いモンゴルが中央統制経済から自由経済に移行した際の事例がケーススタディとして取り上げられました。「政府や大規模な多国間の機関がゆっくりとしか動けないなら、朝鮮半島の経済的統合に関する、お互いの国にとって平和的で生産的なフレームワークを可能にするような計画を予備として考えておくようにすることは必須です」とワールド・トレード・パートナーシップのジョン・ディクソン会長は語りました。
「ベトナムは政治的な正常化を果たし世界経済の仲間入りを果たしていく過程を考える上で、役に立つ例になります」と語るのは中国-米国研究所の上級研究員であるスラブ・グプタ氏です。グプタ氏は、北朝鮮にも適用することが可能な4つの教訓について説明しました。(第一に)移行期の国家とは、「安全保障を優先する国家」と「経済発展を優先する国家」の両方を兼ねることはできない。(第二に)改革はマクロレベルで起こらなければならないので、一夜限りの冒険では十分ではない。(第三に)農地改革は基本であり必要である。全てのアジアの列国は基本的な農地改革を実行している。(第四に)また、外国からの信用を築いていき投資を誘致するためには国際的な金融機関が必須である。
中国グローバリゼーションセンターの副会長であり鄧小平元書記長の英語通訳も務めたビクター・ギャオ氏は、「中国は朝鮮半島の再統一を完全に支持します。ただし、それは朝鮮半島の非核化なしには実現できないことです」と説明しました。
また、「経済的統合や政治的統合のためには、お互いの信頼が必要とされるものであり、時間のかかることである」と警告しつつ、「人権が守られ法律を重視する、自由を重んじるコリアを追求していくことが重要である」と語りました。「経済的な統一や統合が進んでいけば、究極的には政治的な再統一へと繋がっていくはずですが、それはアジアにとって絶対的に素晴らしいことになることでしょう」とギャオ氏は話しました。
GPFの北東アジア地域の平和と発展に関する上級研究員であるイエチン・リー氏は、中国は北朝鮮にとっても韓国にとっても最大の貿易相手国であり、インフラや工業、観光、鉱業、サービス部門を発展させ平和的統一を実現していくことは、中国や北東アジアにおける経済成長を考えるならば、「低い位置にぶら下がっている果実」のように大きな努力をしなくても容易に解決できる問題です、と語りました。
パネリストは他にも、韓国の又松(ウソン)大学校学長のジョン・エンディコット博士。前英国駐北朝鮮大使のジョン・エバラード氏。4人のアメリカ大統領—ロナルド・レーガン、ジョージ H.W.ブッシュ、ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ—の通訳を務めたアメリカ国務省の通訳者であるトン・キム氏。また他の著名な学者やビジネスリーダーたちが参加しました。
自由で統一されたコリアを最終目標としてNEA-NWFZの議論を継続して実施していくための事務局の作成が主催者たちによって同意され、フォーラムが締めくくられました。
こ のフォーラムではコリアン・ドリーム的アプローチに基づく平和的であり、原則に基づいた南北コリアの統一を主唱しています。コリアン・ドリーム的アプローチとは、地域における平和と安全保障、人権、家族の再結合、全てのコリアンたちにとっての共有された繁栄を推進する、自由で統一されたコリアを築くというコリアン民族の理想、共有された価値と歴史に依拠しています。