HOME > 暴力に悩むナイジェリアで平和にむけた決意を表明
暴力に悩むナイジェリアで平和にむけた決意を表明2013.06.12 |
2013年5月16日、ナイジェリアの首都アブジャで国が直面する問題に対する方策を議論する諮問会議が、グローバルピース財団(GPF)の主催によって開催されました。
ナイジェリアのイスラム教とキリスト教の指導者や伝統的統治者(イギリス統治以前に存在した国や地方の統治者に由来し、現在も多くの人に尊敬される)、政府の代表、女性や若者のリーダーたちが参加し、「平和の文化と国家的な統合を創造にむけた宗教指導者と伝統的統治者の役割」のテーマのもとで議論を展開しました。
最近の過激派が起こす暴力に対してグッドラック・ジョナサン大統領が行った三つの州における非常事態宣言を受けて、社会的結束の基盤としての共通の精神的価値や善悪基準の合意を向上させるために、ナイジェリアでのGPFの取り組みに対して指導者たちは支援を表明しました。
元ナイジェリア外務大臣のアイク・ンワンチュクウ上院議員は、「One Family Under God」の理念を拡げることを宗教指導者たちに促しました。また、伝統的統治者が価値基準をまとめ、人間には生来の差がないことを訴えるように呼び、「この部屋にいる私たちは誰でも、どんなわずかな努力ででも平和を前進させる。私たちは宗教に関係なく、間違った行いを非難しよう。ナイジェリアはキリスト教徒とイスラム教徒の間の調和を保っているので、どのようにしたら平和に生きることができるかを世界に伝えるモデルとなる国家であるべきである」と訴えました。
元経済金融犯罪委員会委員長で大統領候補のマラム・ヌフ・リバドゥ氏は、グローバルピース財団に平和のための活動を継続してほしいと要請しました。同氏は伝統的統治者たちが勇気をもって政府と対話することが正義であると訴え、 「多様性は宗教とは何の関係もない。ソマリアはイスラム教の国であるがお互いを殺し、ルワンダはキリスト教の国でありながらも自身を疲弊させた」と述べました。
ナイジェリアのメソジスト教会の司教のオラ・マキンデ師は、中等学校のカリキュラムにおける宗教の比較研究を含めるべきだと提案しました。 また、ナイジェリアのピース・ビルダー協会創設者のキング・アルフレッド・ディエット-スピッフ氏は、ナイジェリア全土で平和構築隊を組織することを提案しました。
この会議では女性や若者の指導者の意見も目立ちました。ハジア・アイシャ・ドゥーク・元ナイジェリア教育国務大臣は、非識字や失業が問題の一部であると指摘し、「彼らは必要なスキルを欠いているので、若者たちは雇用してもらえない」「たとえ彼らは学校に行くことができない場合であっても、彼ら自身で能力を伸ばし、自立できるようにさせましょう」と語りました。
イスラム教青年リーダーのユスフ・イブラヒム氏は、若者もすべての対話プロセスに関与するべきだと述べ、「若者がわが国の問題の加害者たちのところに赴き、対話をする機会を提供させましょう」と呼びかけました。また、若者は政治家の悪事と関わることを拒否すべきであると訴えました。
会議の中で、キリスト教とイスラム教の指導者たちは、One Family Under Godのビジョンを推進するたに、伝統的統治者たちと協働する主要な責任者を任命しました。来年2014年は、北部と南部のイギリス保護領が現在のナイジェリアとして統合されて100年を迎えます。その100周年記念を準備するという意味でも、共通の価値をもってナイジェリア人が一つとなって取組むよう期待が示されました。
本会議の模様は、14の紙媒体および電子メディアを通して全国的に報道されました。