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オンラインセミナー「霊性と現代社会」を開催しました2021.01.29 |
2021年1月22日、元国連職員の萩原孝一氏をお招きし、「霊性と現代社会」と題してオンラインセミナーを開催しました。萩原氏は国連工業開発機関(UNIDO)で27年間勤務し、2012年に定年退職。その後は、大学で教鞭をとりつつ、著述活動や講演活動などを通じ自らの経験に基づいた平和実現の構想を提案、発信しています。
萩原氏はセミナーの初めで、コロナ禍について、国として、地球として、そして、個々人としても、「どうあるべきか」ということを“深掘り”していくチャンスと見ていることことに触れ、米大統領選挙については、トランプ政権の4年間については、さまざまな見解がある中でも、アメリカが発端となった戦争がなく、死者も極端に少なかった、と評価できる面があることを示しました。
そして、自身の人生をふり返り、小学校時に憧れだった女教師が広島で原爆体験があり、「日本を2度と戦争ができる国にしないでほしい」と語ったことが非常に印象的だったこと、萩原氏が留学したアメリカで、戦争や原爆についてアメリカ人学生と真っ向から意見が対立し、平和への解せない思いを抱えたままになっていたこと。そして、その思いを昇華してくれるものを探していたところ、国連の存在を知ったことを懐かしく語りました。
そんな国連との出会いですが、萩原氏自身は国連に入るための努力を一切しておらず、卒業後、JICA勤務でケニアに赴任していると、組織の理事長から、「次の仕事が決まった」とのことで、国連へ転職する手筈を全て整えてくれて、萩原氏は作成済みの履歴書にサインをするだけで国連機関の勤務が決まったそうです。
国連では、国連工業開発機関UNIDOに所属し、発展途上国の産業起こしのサポートをしていましたが、成果が出ない時期が続き、その原因を考え始め、コストパフォーマンスが重視されるプロジェクトに「心」の部分を扱うことが必要だと痛切に感じるようになりました。
おりしも、 “Save the Earth(地球を救え)”という声を聞くなどのスピリチュアルな体験をし始めたのもその頃でした。
国連でも、その前の国際連盟でも、「平和」について考えてきたが、この言葉では限界がある。国連の中心の意思決定をする常任理事国の5ヵ国は全て、核兵器を保有している。課題が山積の国連で、この組織を変えるのは、戦後、一度も戦火を交えず、平和を維持してきた日本しかいない、ということで、日本の役割の重要性を訴えました。
そして、今、世界が取り組んでいる課題としてのSDGs(持続可能な開発目標)については、”No One left Behind”(誰一人取り残さない)という理念にとても共感しつつ、この目標がビジネスライクになりすぎると、成功は難しく、17の目標を下支えするものとしての思いやり、優しさ、と言った「精神性」を18番目の目標として組み込むことを提案し、そこには日本的な中庸の立場が非常に貢献できる、と講演を締めくくりました。
参加者からは、「具体的に私たちにできることはなんですか」「SDGsを下支えする心の問題、目標はどのような形になるか」「子どもに一番に願うことはなんですか」と言った質問が見られ、非常に関心を持って萩原氏の話を聞いていました。
動画は以下からご覧になれます。