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一般社団法人日本国際協力センター(JICE)による多文化共生の取り組みの紹介2021.06.08 | 

 東京オリンピック・パラリンピックに向けた多文化共生のための取り組みとして、今回は一般財団法人 日本国際協力センター(Japan International Cooperation Center. 以下JICE https://www.jice.org/news/2018/09/post-302.html)の国際協力推進部 部長 の長山和夫様、留学生事業第一部留学生事業課副課長の櫻井貴之様にインタビューさせていただきました。
 日本の中央省庁や外国政府、国際機関、JICAなどの仕事を請け負っておられます。今回は、JICEの主要事業やオリンピック・パラリンピックに向けての取り組みを中心にお聞きしました。

―普段はどんなお仕事をなされているのでしょうか?
 JICEは設立して44年になる財団法人です。
 プロジェクト型の国際協力事業、国際交流事業を、JICAや、中央省庁や外国政府、国際機関から請け負っています。事業のほとんどを競争入札で獲得をする形なので、仕事の取り方としては民間企業とあまり変わりません。
 JICEには四つの基幹事業があります。留学生受入支援事業、国際交流事業、国際研修事業、そして、多文化共生事業です。
その中でも留学生受入支援事業が一番大きく、主に開発途上国の若手行政官を日本に招き、将来の母国の発展や日本のODAのカウンターパートになってもらうことを目的としています。
 現在の国際交流事業は2007年から実施しており、高校生から社会人までの様々な世代で、1週間から10日ぐらいの同世代交流やテーマ学習を実施しています。
そういった様々な事業の中で、小学校から大学まで様々な教育機関とお付き合いがあり、国際理解教育の授業に講師を派遣する他、交流事業で来日している学生と一緒に訪問するプログラムを実施してきました。直近では、文部科学省のWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の指定高校に定住外国人を講師として招き、お話をしていただいたりしています。

―オリンピック・パラリンピックに対してはどのような取り組みをされているのでしょうか?
 東京都教育委員会のオリパラ教育を進めるプロジェクトで、先方からアプローチがあり、いくつかの提案をしました。
 JICEの事業で来日している留学生やJICEの職員を学校に派遣して、国際理解教育として、世界各国の文化・習慣を分かりやすく紹介するプログラムを実施しました。

留学生による訪問プログラムの様子

 留学生による訪問プログラムは2018年の2月から始めています。アフリカのギニアビサウから来ていた留学生は板橋区の成増ヶ丘小学校を訪問し、母国のゲームなどを通した交流は大変好評でした。他にも、ネパールやミャンマー、キルギス、フィリピンなどの留学生が学校を訪問し、自国の文化紹介などを行いました。
 最近は、コロナのため訪問プログラムの実施が難しく、中止になったものや実現に至っていないものもあり残念です。

―プログラムに参加した学校の生徒さんの反応はホームページに出ていますが、留学生の方々の反応はどうでしょうか。
 自分の国のことを日本の子どもたちに伝える経験自体が非常に貴重な経験で、自分をふり返る機会となったという声が多いですね。
 JICE留学生受入支援事業の修士課程や博士課程の留学生は、基本的に英語で学位を取得する課程に在籍することもあり、日本人と交流する機会がそもそも少ない傾向にあります。また、留学生が、一般の日本の学校を訪問できる機会はほぼないため、日本の子どもたちとたくさん触れ合えたことは大きな学びと経験になっています。



―学校に訪問する留学生の国籍は学校の方から要望があるのでしょうか。
 学校からのリクエストと留学生の日程を合わせて検討します。東京都の公立小中学校で、「世界ともだちプロジェクト」という国際理解教育に関するカリキュラムがあるのですが、その中でそれぞれの学校で担当する国が決まっており、生徒はその国について普段の授業で調べたり、発表をしたりしています。その中には珍しい国を対象としている学校もあり、JICEに講師派遣の依頼がなされる際は、なるべくその学校の要望に沿う形で留学生や職員を派遣しています。

 また、オリパラ教育だけでなく、国際理解教育や交流については、学校と地域に対してオーガナイザーからオファーをすることが重要だと感じています。今でも外国と言えば欧米という認識が強い地域もあるのですが、欧米以外でも学校交流やホームステイを受け入れることによる学びがとても大きいのです。
 ASEAN諸国など、大家族文化が残っている地域の学生はホームステイ先の子どもたちにとてもよくしてくれます。ホームステイは特に、実施前と実施後のその国に対する理解が全く変わるキラーコンテンツです。

―コロナ禍で国際交流事業は難しくなっていると思いますが、オンラインへの代替はどのようにしておられますか?
 留学生の来日は、入国制限がありますので、順番待ちのような状況になっています。去年の夏に入学している学生は、オンラインが整えばオンライン学習を始めている学生もいる一方で、時差が大きい場所、オンライン環境が整わない学生は、遠隔授業も受けられないでいます。
 また、短期の交流事業は、14日間隔離しているうちに終わってしまうのでそもそも難しいですね。日本と海外の高校をつないだオンライン交流を企画するなど、臨機応変に対応しています。

―ありがとうございました。今後、力を入れていきたい分野や方針についてお聞かせください。
 基幹事業である留学生事業、国際交流の事業、研修事業、多文化共生事業を、しっかり推進していきます。
留学生には、日本人と直接交流する機会をもっと増やしていきたいですね。

 交流事業は、招へいされる海外の学生だけではなく、受け入れ先の地域の日本人学生、市民にも大きなインパクトがあります。日本の学生が海外の学生と接すると、「自分たちはこれで大丈夫だろうか。もっと勉強しよう」と刺激を受けます。また、インバウンドにおいて地域の国際化が重要になってくる中で、宗教、食事、異文化理解などの意識改革にも大きな効果があります。双方にとって利益になる中身のある交流事業を作っていきます。こういう交流が、外交の土台になっていくと私たちは考えています。

 多文化共生事業においては、外国人労働者が増えていく中で、企業の受け入れ体制の構築に積極的に貢献をしていきたいです。

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