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オンラインセミナー「イスラムと多文化共生~日本における葛藤と挑戦~」を開催しました2021.11.05 | 

10月31日午後7時より、一般社団法人イスラミック・カルチュラル・ファウンデーション・ジャパン理事のアラウディン・モハメッド氏をお招きし、「イスラムと多文化共生~日本社会における葛藤と挑戦~」というテーマでオンラインセミナーをいただきました。

アラウディン氏はバングラデシュ出身で1988年11月に来日。2年間、日本語学校で日本語を勉強した後、港区にあるイスラム学園で4年間教師を勤めました。
その後、独立して会社を作り、ご自身の商売をしながらボランティア活動をしておられます。現在、日本バングラデシュ協会理事、イスラミックカルチュラルファウンデーション理事、イスラミックセンタージャパン代表理事、ロウヤヘラルコミッティの書記長を務めながら、イスラム文化の日本国内での普及を行なっておられます。バングラデシュにバングラデシュ人の妻と子どもが4人暮らしています。

当日の多くの内容から、要点を抜粋します。

―母国バングラデシュについて
■日本の3分の1くらいの面積に1億6千万人以上が在住。首都ダッカでは、1㎢あたり4万9,000人が住んでいる。
■子供も非常に多い。大抵の家庭で3人以上の子供がおり、自分自身も7人兄弟がいた。
■1971年にパキスタンから独立し、バングラデシュとなる。その後、日本とも良好な関係を築いている。首都中心に建築物の建築が進んでいるが、日本からのODAも多くある。
■ユニクロなど日本の大企業の製品の生産も国内で行っているが、人件費が世界で一番安いという面もある。バングラデシュ人は真面目な国民性。そうした面を日本人も応援してほしい。
■現在のバングラデシュ首相は女性で13年ほど務めている。野党党首も女性が勤める。党の違いはあるが、お互い協力しあい、国の発展のために尽くしている。

―イスラム教について
■日本ではニュースなどにより、イスラム過激派のイメージが強いかもしれない。しかし、イスラム教人口は世界に20億人。これはキリスト教に次いで2番目に多い信者数である。
■どんな宗教かといえば、神様の言葉を預かった宗教。未来を「予言」するものではなく、神様と人間が交わした契約に基づいている。
■どのように生活するかの規範が全てコーランに書かれてある。子どもをどう育てるか、社会をどう作るか、など。コーランは全てで114章からなるが、これを守れば平和になる、という教えが書かれてある。
■そもそもイスラムとは平安、平和という意味。その平和は自分だけのためのものではなく、家族、社会、政治、世界中の人のための平和、という意味である。

この後、イスラム「五行」の詳しい教えの解説がありました。この部分については動画をぜひご覧ください。

日本での活動を紹介されるアラウディンさん

―日本でのこれまでの活動や経験していることを簡単に
■イスラミック・カルチュラル・ファウンデーション・ジャパンとして、日本の法律、文化を守りながら、かつイスラムの文化を守り、教えあう、サポートしあう活動をしている。カレーパーティなどの交流会には、国会議員も参加したりする。
■1995年の兵庫の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災。他にも熊本地震などの支援ボランティアに参加してきた。日本は第二の故郷。治安がすごくいいので、子どもたちも日本で暮らしたいと思っている。
■一方で、年寄りに対しては、「かわいそう」と思う。一人で買い物をしたり、歩いたり。イスラムでは、「年寄りは尊敬しなさい」という教えがあり、老人ホームにはほとんど入れない。

―GPFJapan代表理事 後藤亜也と対談
Q:イスラム教の五行についてわかりやすく説明をしていただいた。日本の中での多文化共生を考えた時に、日本人の多くがイスラム教についての基本的な知識がないし、ニュースでの内容を部分的に見て誤解をしてしまうことが多いと感じる。
イスラムのリーダーと対話をした時に、コーランを間違って解釈していることが問題の原因であることが多い、と聞く。例えば、「ジハード(聖戦)」というのは、本質的には平和に対するコミットメント、という意味であると聞く。そのような解釈の違いは、どのようなことから生じてしまうのか。

A:本当のイスラムの教えを守ると素晴らしい人生になる。なぜ理解できないかというと、生まれながらムスリムであるから。コーランを読むと、そこに全部書いてあるのだが、生まれながらのムスリムは、ジハードなどに対する理解がないことが多い。コーランには、「一人の人を殺すと、人類全てを殺すことになる」と言った教えが書いてある。テレビやネットで流される情報は、イメージが良くないが、本当のイスラムは全くそうではない。

Q:他の国に行くと、多文化共生のいい例と言うのはたくさんみてきたが、アラウディンさんが日本で暮らしてみて、多文化共生のいい例はあったか。

A:(日本社会は)前より変わっている。日本の政府や政治家にもよくしてもらっている。また、ハラルフードが簡単に手に入るようになった。また、活動の際にも警察、警備をする方々が親切にしてくれるので、安心して活動ができる。

Q:日本の中で国籍や宗教、文化の違いを超えて、一つの家族のような関係性を築くことができるような可能性は、日本ではあるか。

A:日本は第二の故郷だから、そのことを考えている。日本の文化を守りながら、自分たちのイスラムの文化も実践している。どこの国でもそのような文化がある、それを守らないといけない

Q&Aでも非常に活発な議論がなされました。詳細は動画をぜひご覧ください。

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