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「ワンコリア国際フォーラム~自由と人権:北朝鮮体制の改革のための国際協力~」が開催されました2022.10.07 | 

2022年9月30日、ソウルで開催された「ワンコリア国際フォーラム」で、人権専門家と脱北者らが、北朝鮮政府による、北朝鮮住民の抑圧、飢餓、投獄、処刑といった残酷な現実について議論しました。

「自由と人権:北朝鮮の政治・金融システム改革のための国際協力」をテーマとした本フォーラムは、73年間継続している金一族の独裁体制を改革するための戦略を議論するため、北朝鮮自由週間の一環としてGPF、北朝鮮自由連合、Action for Korea United、One Korea Foundation、NGOモドゥモイジャ、北朝鮮宗教の自由のための国際連帯が共同主催しました。

2005年、日米韓のNGOと脱北者団体で構成される北朝鮮自由連合は、北朝鮮人に対する人権侵害について世間一般の認識を高めるため、北朝鮮自由週間を発足させました。

2004年、米国議会は脱北者や北朝鮮住民を支援するための「北朝鮮人権法」を可決させ、フォーラムでは複数の議員がビデオメッセージを通じて北朝鮮住民との連帯を表明しました。

フォーラムでは、北朝鮮自由連合代表のスザンヌ・ショルティ氏、民主主義防衛財団上級研究員のデビッド・マックスウェル米大佐、脱北者でありGPF研究員の李ヒョンスン氏、北朝鮮人権委員会の事務局長グレッグ・スカラトゥ氏、米国NBA選手で人権擁護団体のエネス・カンターフリーダム氏らが参加しました。

北朝鮮の人権侵害に関する国際的な専門家であるスーザン・ショルティ氏

スーザン氏は、韓国の尹 錫悦(ユン・ソギョル)大統領が僅差で当選したのは、文在寅政権の親北政策下で多大な弾圧を受けた脱北者たちの行動によるものだと指摘しました。「脱北者たちは選挙を文字通り生死の境と見ていた 」と、文政権が北朝鮮に行く情報をすべて遮断する取引をしたことに言及しました。文氏が支持した北朝鮮への情報発信を禁止するビラ散布禁止法は、「あらゆるメディアで発言し、情報を伝える自由の権利が韓国の法律により侵害されるものだった」とスーザン氏は述べ、また、「北朝鮮のアキレス腱は人権 である。我々は空、陸、海を問わず、全力で北朝鮮に情報を提供すべきである 」と語りました。

デビッド・マックスウェル大佐は、金独裁政権下での北朝鮮住民の苦しみについて述べ、北朝鮮人の自由と解放を支援するためには、「人権を前面に押し出したアプローチ、情報キャンペーン、自由で統一されたコリアの追求」という3種類の努力が必要であると述べました。「人権は道徳的な要請であるだけでなく、国家安全保障の問題でもある」と彼は語りました。

他のパネリストは、戦略的にも道徳的にも、人権が北朝鮮を変えるための国際政策を推進するべきだと述べました。彼らは、核軍縮を援助や改革の前提条件とすることは、失敗することが証明されていると話しました。

(左から) 北朝鮮人権委員会事務局長のグレッグ・スカルラトゥ氏、脱北者でGPF研究員の李ヒョンスン氏、北朝鮮人権国際協会会長のムン・クッカン氏。

日本を拠点に活動する3人のパネリストは、1959年から1984年まで実施された9万人以上の在日コリアンの北朝鮮へ帰還事業の人間的悲劇と欺瞞を語りました。パネリストの川崎栄子氏(Action for Korea United Japan代表理事 兼 NGOモドゥモイジャ代表)、山田文明氏(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会名誉代表)、ソン・ユンボク氏(NO FENCE副代表)は、北朝鮮がこの事業において、自国を「地球の楽園」と虚偽の宣伝をし、当時の在日コリアンや日本人を誘惑したプロパガンダについて説明しました。しかし、飢餓、差別、強制労働、抑留といった現実は、プロパガンダにおいて約束されていたものとは全く異なるものでした。

山田氏は、中国やロシアが北朝鮮の犯罪行為を支援していることに対し、国際社会が対抗する必要があると指摘しました。彼は、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻に抵抗した国際的対応で孤立し「追い詰められた」ように、自由を愛する国々は国境を越えて人権を守るために協力し合うべきであると述べました。

また、NO FENCE副代表のソン・ユンボク氏は、帰還事業の体験談と歴史の教訓を未来の子供たちに伝えるために、帰還事業を歴史的記録として学校のカリキュラムに組み込むべきだと語りました。

韓国のパネリスト、ソン・クァンジュ氏(韓国先進国ネットワーク会長、元韓国ハナ財団会長)、ムン・クッカン氏(北朝鮮人権国際協会会長)、カン・チョルファン氏(北朝鮮戦略センター理事長)は、フォーラムの閉幕に際し、国際社会と尹次期政権に対し、北朝鮮に改革をもたらすための努力においてイデオロギーの重要性をもっと理解するように求めた。

ソン・クァンジュ氏は、2000年以降の南北首脳会談は失敗に終わったと指摘した。自由主義国家同盟の経済的、戦略的、イデオロギー的な優位性を強調しながら、それでも北朝鮮が交渉に駆り立てられたのは、非核化を誤った方向に強調してしまったからだと語りました。「韓国の民主的価値観は、北朝鮮の核兵器よりも強力だ」とソン氏は述べました。

韓国先進国ネットワーク会長のSohn Kwang-joo氏

韓国のパネリストは、北の独裁的なイデオロギーに対峙するものとしての自由と人権のイデオロギーを取り上げ、情報の力を再び強調しました。ムン・クッカン氏は、韓国の約1000の市民団体からなるAction for Korea Unitedが、北朝鮮の軍事的脅威と人権侵害に対して広範で包括的なアプローチを展開していることを評価しました。また、3年以内に、統一コリアに関する大規模なエキスポを開催することを提案し、そのようなイベントは、北朝鮮に立ち向かうために国内外の支援を動員し、自由で統一されたこりあにつながる根本的な改革を先導する「偉大な目覚め」を起動させることができると述べました。

ワンコリア国際フォーラムは、朝鮮半島分断に起因する安全保障と人権問題を解決するために、自由で統一されたコリアへの世界的な支援を推進するために、GPFとパートナー団体が過去10年間にわたって開催してきた一連の継続的なフォーラムです。
ワンコリア国際フォーラムについてのより詳しい内容はコチラ

本フォーラムを含むより幅広い取り組みについては、「ワンコリアグローバルキャンペーン」(英語)をご覧ください。

 

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