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多文化おもてなしフェスティバル2022が開催されました2022.12.02 |
様々な国の人たちが実行委員となって企画・運営している「多文化おもてなしフェスティバル2022」が11月23日、東京・錦糸町のすみだ産業会館で開催(GPF Japanは事務局を担当)。
インドネシア、フィリピン、ブラジル、グアテマラ、セルビア、ウズベキスタンの各大使館と、ガルーダ・インドネシア航空、目黒区倫理法人会、墨田区倫理法人会がフェスティバルを後援しました。
オフラインでの開催は3年ぶりとなる今回のフェスティバルにおいて、コロナ禍により減ってしまった社会的つながりと、各多文化コミュニティが持つ文化や知恵を再構築するという意味合いをこめて、”RE-CONNECT”をテーマとしました。
日中コリア共同製作映画「純愛」総監督・主演であり、ONE‐Kグローバルキャンペーン広報大使の小林桂子さんの勇気と感動を与える言葉でフェスティバルは幕を開けました。
司会は、ドキュメンタリー映画「いきたひ」監督で元ニュースキャスターの長谷川ひろ子氏が和服姿で登場しました。
当日は、インドネシアとバングラデシュ、そして中国の朝鮮族による伝統舞踊をはじめ、ダイナミックなパフォーマンスが繰り広げられました。
10人のインドネシア人女性で構成される「ヌサンタラ・インドネシア舞踊」は、まばゆいばかりの民族衣装で登場し、異国情緒をアピールしました。メンバーはそれぞれ日本に移住し、地元で日本とインドネシアとの友好の絆づくりに励んでいます。
次に登場した「シシュ・シルピー・アカデミー」は、バングラデシュ系の少女たちのグループです。日本で生まれ育った彼女たちは、自分たちの出身国への関心を高めるために踊り続けてきました。
民族舞踊の後は、長谷川さんとフェスティバル広報大使を務めるアーティスト・女優の希良梨さんが、ブースを出展している団体を紹介しながら、会場をカメラで追いかけました。エスニック料理や飲み物、民族衣装、ジュエリー、音楽などが展示されていました。さらに、文化交流を推進するNPOが、社会的・学術的な啓発を行いました。在日インドネシア大使館からも出展をいただきました。
今回の出展者たちが景品を提供して行われた「多文化おもてなし抽選会」には、まさに世界中から様々な品物が集合。当選者たちは喜びの声を上げていました。
参加者がこれらの文化に触れることができるよう、日本で複数の言語を教えているナンシー多田さんがリードして、それぞれの言語で誰もが言える簡単な言葉を紹介しました。10人の異なる国の人々がステージに上がり、「ありがとう」「こんにちは」など、ある言葉をそれぞれの言語で紹介。「旅先の言葉で “ありがとう “という言葉を覚えておくだけでも、かなり役に立ちます」と、8カ国以上の海外生活を経験したことを紹介しながら説明しました。
美を通じて自信をつけるファッションスクール「魅学アカデミー」では、地球温暖化防止の取り組みとして、ミニファッションショーを実施しました。生徒たちがステージに上がり、リサイクルされた衣服から作られたユニークなドレスを披露しました。
続いて、東京農業大学で微生物学を学ぶインドネシア人留学生、スチュワード・グナルディさんが日本への思いを語り、「多文化共生クイズ」を開催しました。クイズは楽しく、笑いを誘い、日本人でも知らないような隠れた日本文化についてユニークな洞察を与えてくれました。
さらに、今回は現代風にアレンジされた文化的なパフォーマンスが行われました。Projeto Música sem Fronteiras(国境なき音楽プロジェクト)のデュオが、ブラジルの曲数曲を披露。このプロジェクトは、音楽を通じて外国人コミュニティと日本人コミュニティとの融合を図ろうとするブラジルの人たちによって立ち上げられたものです。
プロジェクト・ムジカ・セン・フロンテラ(ブラジル)
次に登場した女性アーティスト、Humming for PEACE代表のかくばりゆきえさんは上品な着物姿で登場し、ハミングを披露。彼女は数年前まで会社員でしたが、自分の情熱に従って、鼻歌で言葉の壁を乗り越え、世界の人々をつなぐ平和プロジェクトを立ち上げることを決意しました。ハミングで言葉の壁を乗り越え、世界の人々をつなげる平和プロジェクトを立ち上げたのです。
続いて、”フィリピン人初”の演歌歌手 ヨランダ・タシコさんが登場し、観客を魅了しました。ヨランダさんは幼い頃に来日し、貧困から脱出した日本の文化やチャンスに感謝してきたといいます。彼女は、演奏する先々で喜びと感謝の気持ちを伝えるために歌ってきましたが、まさにそれが実現しました。アンコールでは、参加者の多くがステージでダンスを披露し、盛り上がりを見せました。
フィナーレを飾ったのは、2015年から「多文化おもてなしフェスティバル」のサポーターを務めているアーティスト、希良梨さんです。希良梨さんは、フェスティバルのテーマ曲「Colors of the Human Race」を歌い上げ、観客を盛り上げました。
最後に、フェスティバル副実行委員長で、バングラデシュ人のラハマン・モニさんと、狂言師で2015年から本映画祭を支援している善竹十郎さんが、フィナーレで踊った50人以上の観客に囲まれたステージで挨拶しました。文化が一つになることの大切さを伝えつつ、喜びと笑いの中でそれを行う必要があることを観客に呼びかけました。
この日は雨で外は寒かったのですが、会場は参加者の喜びと笑いで暖かくなりました。
「間違いなく最高のフェスティバルのひとつだった」と語るのは、2015年からサポーターでもあるヨランダさんです。動機は違えど、このイベントが成功したのは、これらのコミュニティが再びつながり、”ひとつの家族(ワンファミリー) “という統合された文化を創造するために行われたからにほかなりません。