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オンラインセミナー「自由で統一されたコリアは北東アジアの平和と安定の鍵」での質疑応答2023.03.08 | 

2月26日(日)にディビッド・マクスウェル氏を講師に招いて開催したオンラインセミナーの後半、質疑応答の内容について掲載します。

■質問1:北朝鮮の移行期に「移行期正義」の確立が必要だが、国際的介入は可能か?

素晴らしい質問です。
移行期正義は、統一をもたらし、北朝鮮と韓国の間の相違を本当に解決するための重要なステップとなるでしょう。確かに、国際社会は非常に強力なサポート役となることができます。本当に、2014年の国連人権調査委員会の調査以降、北朝鮮国内で行われている人権侵害の証拠を大量に目にすることになりました。この証拠は、移行期正義の鍵となるものです。国際社会は、統一コリアが公正な方法で移行期正義を実行し、朝鮮半島の長い分断に平和と安全、終結をもたらすよう支援することができると思います。

■質問2:「統一コリア」が社会主義よりの国家になる危険性は?

統一が実現すれば、統一大韓民国(United Republic of Korea)になるとは思います。重要なポイントのひとつは、大韓民国、日本、アメリカは、自由、個人の自由、法の支配、人権という同じ価値観を共有しているということです。統一が実現すれば、そうした価値観がコリア全体に広がっていくことになります。つまり、統一コリア政府は、私たち3カ国や世界中の民主主義に基づく国々の価値観と一致することになるのです。ですから、北朝鮮の価値観が統一コリアに何らかの影響を与えるとは思えません。自由で統一されたコリアとなるのです。

■質問3:平和統一の具体的シナリオは?

それは素晴らしい質問です。私たちが望むのは、北朝鮮内部の変化だと思うのです。
韓国が平和的統一を図るには、2つの経済、2つの軍隊、2つの文化、そして2つの政治体制の統合が必要です。これらのプロセスは、戦争であれ、体制崩壊であれ、平和的統一を目指す北朝鮮内部の変化であれ、統一に至るどのような道筋にも適用されるものです。それこそが、平和的統一を目指す北朝鮮内部の新たな指導者が出現する中で、統一を実現するための理想的なプロセスです。そして韓国は、自由で統一されたコリアを実現するために、南北コリアの統合のための完全な計画を持たなければならないのです。

■質問4:核問題を解決してから統一を実現するのが難しい理由は?

金正恩と金一族体制が続く限り、核の問題は解決できないと思います。これがまさに、北朝鮮に対抗する新しい戦略の本質です。私たちは、金正恩が核兵器を手放さないことを認識しています。だからこそ、私たちはまず、自由で統一された朝鮮半島を実現することに焦点を当てなければなりません。そうなれば、統一コリアは核兵器を必要としなくなります。そして、統一コリアは、北朝鮮の核兵器を確保し、安全な状態にするために引き渡すことができ、朝鮮半島にはもはや核兵器は存在しないことになるのです。

■質問5:韓国の若者は統一の必要性を感じているのか?

とてもいい質問ですね。韓国で行われた調査では、若者の統一への関心は低く、低下していることがわかりました。長い間の分断が、本当に両者の間に隔たりを生んだのです。多くの若者たちは、自分の人生に満足しています。もちろん、韓国の多くの人々は、統一に伴う莫大なコストを恐れています。
しかし、多くのシナリオにおいて、統一を阻止する方法はないことを理解することが重要だと思います。戦争になれば、あるいは体制が崩壊すれば、あるいは北朝鮮の新しい指導者が平和的統一を求めれば、統一を阻むことはできません。統一は朝鮮半島に平和と安全、繁栄をもたらすので、若い人たちやすべての朝鮮民族は最終的に統一を支持すると思います。

■質問6:より多くの情報を北朝鮮に入れるには?

これもいい質問ですね。ありがとうございます。北朝鮮内部の情報を得るために、あらゆる伝達手段を駆使する必要があります。『ボイス・オブ・アメリカ』『ラジオ・フリー・アジア』、その他の国、もちろん韓国も様々な手段で北朝鮮に情報を発信しています。脱北者の多くは、風船を使って情報を発信しています。また、北朝鮮国内には携帯電話のインフラが広く行き渡っています。携帯電話を使った国境を越えたコミュニケーションもあるし、対面でのコミュニケーションもあります。あらゆる伝達手段を駆使して、北朝鮮住民に情報を届けるべきです。

北朝鮮国内には750万台の携帯電話がつながっている内部携帯電話構造があります。北朝鮮内部ですが、大規模な携帯電話網で情報を発信しています。

(韓国の人たちとは)間接的にコミュニケーションができます。中国の国境にいる人たちと話をし、中国の国境では、北朝鮮内で中国の携帯電話を持っている住民とコミュニケーションをとることができます。つまり、韓国から中国へ、そして北朝鮮内部へと間接的な通信手段があるのです。そして、内部の携帯電話ネットワークを通じて、情報を伝達することができます。

北朝鮮住民が好きなもののひとつに、韓国のドラマがあることを付け加えておきます。このドラマはよくサム・ドライブやフラッシュ・ドライブ(USBメモリー)で渡され、北朝鮮では中国のビデオ・プレーヤーで再生されます。だから、北朝鮮国内では韓流ドラマがとても評判がいいのです。外の世界や韓国の情報を見るために、国民の間で回されているのです。

■質問7:脱北者情報研究所の設立は具体的に進んでいるのか?

いい質問ですね。 どの政府も設立していないと思います。韓国とアメリカには設立してもらいたいです。しかし、市民社会では非公式に、脱北者の専門知識を利用して、北朝鮮国内で何が起きているのかを理解しようと努めています。脱北者の力を活用し、北朝鮮に影響を与えるには、韓国やアメリカの政府の支援が必要だと思います。ですから、設立のためには支援が必要です。

■質問8:平和統一の世論を国際的に広げるには?

必要なのは、あなたや私のような人たち全員です。私たちは、統一について話す必要があります。それについて書く必要があります。統一を擁護する必要があるのです。そして、朝鮮半島の外にいるすべての人が統一への支持を示すことができれば、それが韓国の人々の統一に向けた自信を深めることになると思います。だから、統一を本当に支えるのは、私たち全員なのです。もちろん、GPFは朝鮮半島の統一を目指す主要な組織の一つです。だから、私たち全員がそれをサポートする役割を担っているのです。

■質問9:東アジアの共存共生の道筋は?

私は、自由で統一されたコリアが存在しない限り、共存共栄はあり得ないと考えています。北朝鮮は朝鮮半島を支配しようとし、韓国だけでなく、日本や周辺地域、さらには米国をも脅かす兵器を開発し続けているため、安全保障と繁栄にとって常に脅威となる存在です。ですから、共存共栄への道は、本当に自由で統一されたコリアを経なければなりません。自由で統一されたコリアが確立されれば、その地域、東アジアでの共存共栄が可能になるのです。

■質問10:南北統一の青写真は?

私は平和的統一、戦争、体制崩壊、北朝鮮内部の変化という4つの道筋を示しました。これが統一への4つの道です。統一の青写真は、本当は韓国の統一省が出すべきものです。彼らは数カ月以内に新しい統一計画を発表しようとしています。平和的統一計画には、2つの経済、2つの政治体制、2つの軍隊、2つの文化の統合が必要です。これが大枠です。しかし、韓国は本当に統一のための実際の青写真と詳細を開発する必要があります。

■質問11:一市民にできることは?

素晴らしいことです。私たちは皆、何かできるはずです。まず、私たち全員がGPFが行う活動に貢献することができます。あなたの声であれ、あなたが書くことができるものであれ、私たちは皆、統一を主張するために声をあげることができると思うのです。私たちは皆、東アジアの平和的共存への道として、統一のプロセスと統一という目標を支持する必要があるのです。

■質問12:自由で統一されたコリアは中国にとっての脅威ではないか?米軍が中朝国境に駐留するのを嫌がるのではないか?

素晴らしい質問です。確かに、中国は国境に米軍がいることを望んでいません。だから、米軍が存在する統一コリアは、中国から挑戦を受けることになります。中国は、米軍を帰国させるために、統一コリアに影響を与えるためにあらゆる手段を講じるでしょう。つまり、中国は朝鮮半島を支配し、その影響力を利用して朝鮮半島を自国の勢力圏に引き込もうとするのです。これこそ、今日、私たちが目にする戦略的競争、すなわち中国とアメリカの競争であり、権威主義的な政府、独裁者と民主主義的な国、自由主義的な国との間の競争です。

これはまさに新冷戦であり、第二次世界大戦後の冷戦とは異なるものであります。しかし、この中国とアメリカの競争は、朝鮮半島で繰り広げられることになります。一方で、米軍が韓国に駐留するかどうかは、韓国政府とアメリカ政府が決めることです。韓国と米国、日本と米国が結ぶ安全保障協定に対して、中国が拒否権を持つことはありません。

韓国と米国が決める安全保障協定、日本と米国が決める安全保障協定は、政府間で結ばれるものであり、中国はこれらの安全保障協定に拒否権を行使することはできません。中国は抗議し、不快感を示すことはできますが、中国の意向を基に安全保障協定を締結することはありません。私たちは、国益のために最善のことをするのです。

■質問13:中国が朝鮮半島の統一を支援するようになるには?

中国が必ずしも統一を支持する必要性があるとは思いません。中国は朝鮮半島の統一に影響を与えようとするでしょうし、その影響力を持とうとするでしょう。中国が統一に向けて行ってきたことのひとつに、北朝鮮での鉱物採掘に関する協定があります。中国は北朝鮮にある鉱山や鉱床の50年、100年のリース契約を結んでいます。統一されたコリアがそのリース契約を守らなければならないように、そして中国が統一コリアから鉱物を採取して経済的利益を得ることができるように、この種の契約を利用して統一コリアに影響を及ぼすことが彼らの意図であると思います。中国は統一を全面的に支持することはないでしょうが、統一されたコリアと共存するために今行動していると思いますので、中国が統一を妨げるとは思いません。

■質問14:主体(チュチェ)思想の問題点と解放策は?

主体(チュチェ)思想は「自立」と表現されることが多いですが、実際は金正恩、あるいは金一族体制を維持するためのものでしかありません。このイデオロギーは、国民を統制するためのメカニズムとして本当に有効です。チュチェ思想は、社会的階層制度である「成分(ソンブン)」制度とあいまって、北朝鮮住民を統制し、金一族政権に対するいかなる抵抗も阻止するための弾圧において、実に負うところが大きいのです。金正恩は米軍を恐れている以上に、北朝鮮住民を恐れていることを忘れてはなりません。主体(チュチェ)思想と出身成分(ソンブン)制度は、金正恩が権力を維持するために必要なものです。

■質問15:統一されればUN軍は解散されるのか?

今申し上げたように、米軍が韓国に駐留するかどうかは、韓国政府と米国政府によって決定されます。相互防衛条約があり、それが米軍駐留の根拠となっています。しかし、両政府は米軍が残るべきだということに同意しなければなりません。国連軍司令部は、韓国の自由を守るために加盟国に呼びかけた1950年の国連安全保障理事会決議によって存在するため、別のカテゴリーに属するものです。それが国連軍を設立しました。ですから、国際連合司令部がどうなるかは分かりませんが、統一後は国際連合司令部の任務がなくなるのは道理です。現在行っている休戦維持のための任務も不要になります。韓国の防衛のために他国の軍隊を使うことは、1950年から1953年にかけて行われています。

■最後にメッセージをお願いします。

お招きいただきありがとうございます。この重要なテーマについて話すには、朝が早すぎるということはありません。私はGPFジャパンをサポートできることを嬉しく思いますので、お招きいただき感謝します。私のメッセージは、自由で統一されたコリアのために、私たち全員が力を合わせなければならないということです。自由で統一されたコリアの基礎は、ムン博士のコリアンドリームにあります。私たちがコリアンドリームを理解し、コリアンドリームに従って生きようとするならば、自由で統一されたコリアの達成を支援することができます。それでは、お招きいただきありがとうございました。皆さんのご多幸をお祈りいたします。ありがとうございました。

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