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ピース・デザイン・フォーラムを開催しました2023.08.11 | 

▲【ダイジェスト映像】第1回ピース・デザイン・フォーラム

 

2023年8月8日(火)、渋谷区幡ヶ谷区民会館にて第一回となる「ピース・デザイン・フォーラム」を開催しました。
このフォーラムは東アジアの平和構築の道を、様々な分野で活動するスピーカーや参加者たちと共にクリエイティブに考え、デザインするためのイベントです。

国内のみならずフィリピン・韓国などでも、平和を願い演奏してきた千代園剛氏

フォーラムは響沁太鼓千代組の千代園剛(ちよぞの・たけし)氏による音開きで幕を開けました。言葉の壁を超えて誰しもが感じることができる太鼓を通して、千代園氏はこれまでも国内外のイベントで平和への願いを込めて演奏を続けてきました。今回も静寂の中に響く力強い太鼓の音に、会場の雰囲気が一変し、聴衆が魅了されました。

「皆さんと一緒に平和のために活動したいと思います」と語るエマニュエル・パストリッチ博士

次に登場したのは、米国人でありながら日本語・韓国語・中国語に堪能で、東洋の文学や思想哲学に深い造詣を持つ、エマニュエル・パストリッチ博士(アジアインスティテュート理事長/GPF上級研究員)です。米国人の視点で東洋が持つ可能性に触れ、特に韓国と北朝鮮が平和統一を通して自由や人権が守られ、法の精神に則る立派な国を建設することができれば、その影響は日本とアジア、そして世界に波及すると予測し、その変化の中で日本は主役的な役割を演じることができると語りました。

GPFが世界各地で実施してきた平和構築のプロジェクトを紹介した後藤亜也氏

メインスピーカーとして登壇した後藤亜也氏(GPF Japan代表理事/GPFインターナショナル上級副会長)は、世界の分断の原因となっている「アイデンティティの違いによる葛藤」について説明しました。そしてその解決のために、普遍的かつ共通のビジョンとアイデンティティの提示を通した、GPFの新しいアプローチと世界各国での成果を紹介しました。特に北東アジアの平和構築において最も重要な地域といえる朝鮮半島の緊迫した状況に触れ、GPFのアプローチを活用した平和統一という道を模索することこそが、根本的な平和構築のための道であると強調しました。

朝鮮民族は古来より「弘益人間」という「広く世に利益を与える」国家の建設という夢を抱いてきた民族であり、これを南北の共通のビジョンとして、これまで幾度もその機会を逃してきた、統一された自主独立国家を実現すること、すなわち朝鮮半島の平和統一こそが、朝鮮半島のみならず、アジア、そして世界の平和への道であると説明しました。

北朝鮮に残してきた家族を思うと「今も眠れない」と語る脱北者の川崎栄子氏

後藤氏の講演後、参加者として来場していた脱北者の川崎栄子さん(NGOモドゥモイジャ代表/AKU Japan代表理事)が紹介され、5分程度のスピーチをしました。川崎さんは在日コリアン二世として生まれ育ち、「北朝鮮は地上の楽園」という北朝鮮と朝鮮総連による嘘の宣伝によって、17歳で北朝鮮に渡りました。(この在日コリアンの帰国事業は1984年まで続き、合計で93340名もの人々が北朝鮮に渡ったとされています。彼らの多くは差別を受けながら、精神的・肉体的な苦痛の中で精神を病んで自殺したり、飢餓や病気で命を落としたり、政治犯として強制収容所に送られるなどしました。)川崎さんは北朝鮮に到着した瞬間に騙されたことを悟ったものの脱北は容易でなく、43年の月日を北朝鮮で過ごし、5人の子供達が結婚したのを見届けた後に脱北を敢行。2004年から日本に帰国し、以来、北朝鮮に残してきた家族を救い出し再会するため、また北朝鮮を自由と人権が守られる国にするために活動しています。

映画制作を通してアイデンティティが変化し、みんな同じ「人間」だと思うようになったと奥山省吾氏

日中コリア共同制作映画である「JUN AI /純愛」は、すべての人々が共通して心を動かされる愛(博愛、人類愛)を描いた映画です。第一弾は日本と中国の過去の憎しみを超えた愛の物語。この映画を通して国籍などのアイデンティティを超えて同じ「人間」という意識を持った仲間が集まってきました。また、現在制作中の第二弾は日本と中国、さらにコリア(韓国・北朝鮮)までを結びつけて世界の平和に向かう内容。総合企画プロデューサーの奥山省吾氏は、この第二弾の制作にあたり、これまで「JUN AI/純愛」に感動した多くの仲間が参加することができる企画を紹介しました。来たる9月25日から27日まで、目黒パーシモンホールで映画の上映会ならびに撮影会を開催し、そこで撮影された映像が第二弾に盛り込まれるという計画を発表し、来場者にも参加を呼びかけました。

誰もが参加できるGPWのプロジェクトを提案するパク・ヨンシムさん

GPFのパートナー団体であるGlobal Peace Women(GPW)の日本代表であるパク・ヨンシムさんは、今回、未来の統一コリアを想像する広報動画の作成コンテストについて告知を行いました。GPWは朝鮮半島の平和統一という大きなテーマに対して、政治・経済的な観点とは別に、身近な人と人との間にどのように平和を作っていくか、また日常生活の中でできる平和への貢献をテーマに活動しています。上記コンテストは、9月30日にオンライン説明会が行われます。募集期間は9月1日から10月31日までです。

長谷川ひろ子さん(ドキュメンタリー映画「いきたひ」監督/アナウンサー/シンガー・ソングライター)

最後に長谷川ひろ子さんが登場しました。長谷川さんは最初の挨拶で、ご主人の余命宣告から臨終までを撮影したドキュメンタリー映画を世界で上映する中、人間はみな「死」を避けることができないという共通点を通して、言葉や文化の壁を超えて心を通じ合わせてきたと語りました。

長谷川さんのピアノ演奏と美しい歌声による「ひまわり」と「アメージング・グレイス」で、この日のフォーラムは締めくくられました。

「ピース・デザイン・フォーラム」は一般社団法人グローバル・ピース・ファウンデーション・ジャパンが主催し、東アジアの平和構築のためのネットワーク拡大を目的として、今後も国内各地で開催される予定です。

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