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第2回ピース・デザイン・フォーラムを実施しました2023.09.14 |
2023年9月5日(火)、渋谷区の光塾 COMMON CONTACT 並木町にて、2回目となる「ピース・デザイン・フォーラム」を開催しました。
動画リンク:https://youtu.be/ODcKbXoQVDQ
このフォーラムはアジアの平和構築の道を、様々な分野で活動するスピーカーや参加者たちと共にクリエイティブに考え、デザインするためのイベントです。
フォーラムは響沁太鼓千代組の千代園剛(ちよぞの・たけし)氏による和太鼓演奏で幕を開けました。言葉ではなく太鼓の音と振動を通して心にストレートに響く千代園氏の演奏を通して、来場者は感動を味わいました。
次に登場したのは、米国人でありながら日本語・韓国語・中国語に堪能で、東洋の文学や思想哲学に深い造詣を持つ、エマニュエル・パストリッチ博士(アジアインスティテュート理事長/GPF上級研究員)です。エマニュエル博士は、米国で有名なマルチン・ルーサー・キング牧師が語った「平和をつくるには、戦場で戦う以上の勇気が必要である」という言葉や、トルストイの「天国は汝の中にある」という言葉を紹介し、平和構築は平和への意識を持った一人一人から始まるべきだと訴えました。またピーター・ドラッガーの言葉を紹介しながら、緊張状態にある東アジアの問題にフォーカスするよりも、ビジョンや理想に向かって努力する過程で自然と問題が解決されていくものだと語りました。
メインスピーカーとして登壇した後藤亜也氏(GPF Japan代表理事/GPFインターナショナル上級副会長)は、世界の分断の原因となっている「アイデンティティの違いによる葛藤」について、現在も続くロシア・ウクライナ戦争などを例に説明しました。そしてその解決のために、普遍的かつ共通のビジョンとアイデンティティの提示を通した、GPFの新しいアプローチと世界各国での成果を紹介しました。特に北東アジアの平和構築において最も重要な地域といえる朝鮮半島の緊迫した状況に触れ、GPFのアプローチを活用した平和統一という道を模索することこそが、根本的な平和構築のための道であると強調しました。 朝鮮民族は古来より「弘益人間」という「広く世に利益を与える」国家の建設という夢を抱いてきた民族であり、これを南北の共通のビジョンとして、これまで幾度も実現の機会を逃してきた自由で平和的に統一されたコリアこそが、北東アジアのみならず、世界の平和に寄与することであると説明しました。
3名の参加者から本質的な質問が投げかけられ、講師が回答する中で、より深く平和への道筋をイメージすることができました。
続いて登壇した立教大学名誉教授の濁川孝志氏は、後藤氏の講演内容にあった「共通のアイデンティティ」の話に触れながら、その前に必要なことがあって、それは「アイデンティティの違い」を認めることだと語りました。異なる音の調和によってハーモニーが作られるように、多様性があることが美しいし、すべての人々が霊性を高めて、違いを認め合って調和するところに喜びがあるという説明に、参加者は一様に納得していました。
今回の会場は小さい会場でしたが、来場者の中には専門家がいらっしゃったため、コメントをいただきました。
朝鮮半島情勢の専門家であるジャーナリストの五味洋治氏は、後藤氏の講演を聴くのは2回目だとしながら、「これまで韓国で幾度となく参加した統一関連の会合では、正直なところ統一に対するリアル感が持てず、ほとんどの参加者が統一は無理だろうと恐らく考えていたが、“弘益人間”という共通のビジョンを見つめることから始めるというアプローチに新鮮な驚きを感じた」とコメントしました。
「ピース・デザイン・フォーラム」は一般社団法人グローバル・ピース・ファウンデーション・ジャパンが主催し、アジアの平和構築のためのネットワーク拡大を目的として、今後も国内各地で開催される予定です。