HOME >  第3回ピース・デザイン・フォーラムを開催しました

第3回ピース・デザイン・フォーラムを開催しました2024.04.25 | 

2024年4月20日(土)、目黒区中小企業センターにて、ピースデザインフォーラム〜アジアの平和構築を共に考える〜を開催しました。

平和のために祈りを込めて太鼓を打ち続けている、響沁太鼓千代組・千代園剛氏による”音開き”で、感動的にフォーラムが始まりました。

以下、今回は元国連職員である萩原孝一さんの問題提起と、後藤亜也GPF Japan代表理事の基調講演の内容を要約してお伝えします。

◾️問題提起:萩原孝一氏(元国連職員)

(要約)
戦争の原因は主に三つある。①肌の色が違う、②国が違う、③信じる神様が違う。そんな理由で殺し合うのは本当にバカバカしい。しかし何千年も殺し合いを続けている。本当に「気は確かか!?」と言わざるを得ない。

日本はおそらく世界で唯一、国として、国民全体が「もう戦争はしない。二度と繰り返したくない」という思いを持った国。しかしすでに情報空間では世界のトップリーダー達が「第三次世界大戦」という言葉を使い始めている。このまま行くと、そちらの方向へ行ってしまうのではないかと言う懸念を抱いている。

この流れを変えることができるのは、日本ではないのか。日本・韓国・中国・北朝鮮。このような国々が80億人類のために、平和のために汗をかくことが必要。アメリカの核の傘の下で平和が守られるという理論はすでに破綻している。今日のテーマである朝鮮半島の南北統一は平和のためのマストな条件。そしてその前提には、日本と韓国が本当に風通しのいい友人関係を築くことが必要。

ポリティカル・ゲームが先行するうちは難しい。現在の国連は機能不全に陥っている。草の根、民間の知恵を集めることから始めてはどうか。

例えば、日韓・韓日「磯釣り大会」をしてはどうか。双方から20名ずつ参加して、2人1組の日韓合同チームを20組作る。二人で協力してメジナを釣り上げたら、間違いなく無邪気にハグをする。これをテレビで世界中に伝えたら、確執があっても仲良くなれることがわかる。きっかけはそんな簡単なことでも、友好関係が作れると思う。

日本と韓国の友好関係をどうやって作ったら良いのか。両国の関係のあり方、どうありたいのかをちゃんと定めれば、方法は自ずと湧いてくる。

◾️基調講演:後藤亜也(GPF Japan代表理事)
〜北東アジアの平和に向けたアプローチ〜

(要約)
萩原さんから、完璧な問題提起をいただいた。

ロシア・ウクライナ戦争が始まってもう2年。50万人が亡くなり、家族も含めれば何百万の人々が悲しみの当事者になっている。ロシアは戦争をしてでも譲れないものがあるのでウクライナを侵攻した。かつてのキエフ大公国が、ロシア・ウクライナ・ベラルーシの文化のふるさと。これが西側にいってしまうことを許せなかった。日本で言えば奈良や京都が中国と仲良くして勝手に「これから中国になります」と言って去っていくようなもの。

イスラエルとガザの問題も原因は旧約聖書に遡る。神に約束された地に入ろうとするユダヤ人と住民であったペリシテ人(古代パレスチナ人)が戦った。それが今日まで続いている。

東アジアも本当に複雑。朝鮮半島は世界でただ一つ残された分断国家。日本はその隣に位置している。

萩原さんの問題提起にあった「肌の色」や「国籍」、「宗教」など、アイデンティティの違いによって生じる葛藤や摩擦を私たちは、「アイデンティティ・ベースド・コンフリクト」と呼んでいる。自分は正しい、あいつは間違っていると、アイデンティティを押し付けることが世界中の戦いの原因になっている。

私たちはこのような戦いの原因を解決するために、共通のアイデンティティや共通のビジョンを見出す必要があると考えている。この国や地域、世界をどうしたいのか?という共通のビジョンを設定しておかなければならない。そしてそのもとで協働すること、一緒に汗を流すこと。一緒に何かをすることで、信頼ある人間関係が生まれる。この人間関係を作ることこそが、平和構築。これがGPFのアプローチ。

このようなアプローチで世界各国で平和構築のためのプログラムを展開してきたが、これを分断された朝鮮半島に適用するとどうなるのか。

朝鮮半島問題に関してはこれまで、「核兵器だけは放棄して金正恩政権を認める」という妥協案や、「斬首作戦」など戦争による解決方法も議論されてきた。しかしそれらはいずれも北朝鮮の悲惨な人権問題を放置したり、半島内外に甚大な人命被害をもたらす選択になってしまう。

GPFでは「ワンコリア・グローバル・キャンペーン」を推進している。これは「弘益人間」という朝鮮民族の古来からの国家ビジョンを中心として朝鮮半島の平和統一を目指すという「コリアン・ドリーム」を世界的にサポートしようとするものだ。

日本人は人の和を大切にするし、利他的な精神を持っている。そして人類一家族を肯定的に捉える人が多い。そのような強みを活かして、大きな夢の実現のために世界の人々と手を携えていきたい。

◾️エマニュエル・パストリッチ博士(GPF 上級研究員)
日本・韓国・中国文化に精通する博士は、日本の古来からの「思いやり」や共同体の思想、他者に共感しようとする文化など、日本人が古来から持つ貴重な文化的特性を挙げました。そして現在の緊迫したアジア情勢の中にあって、平和構築のための日本の役割の重要性を強調しました。

◾️ヨランダ・タシコさん(フィリピン人演歌歌手)
若い頃に日本にやってきて苦労しながら日本語を覚え、友達ができ、幸せを感じながら生きていることなど、ヨランダさんが日本への感謝の気持ちを込めて、日本語で作詞・作曲を手がけた”ARIGATO”。涙ながらに歌い上げ、会場も涙に包まれて感動のフィーナーレを迎えました。

ピースデザインフォーラムは今後も継続して開催予定です。
たくさんのご来場をお待ちしています。

※開催情報はFacebookにていち早くお届けしています。
https://www.facebook.com/GlobalPeaceJapan

このページのトップへ