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第9回ピース・デザイン・フォーラム〜北東アジアの平和構築の新視点とアプローチ〜を開催しました2025.02.05 | 

1月18日(土)、仙台市の日立システムズホール(エッグホール)にて「第9回ピース・デザイン・フォ ーラム」が開催されました。

◾川崎栄子(AKU Japan代表理事、NGOモドゥモイジャ代表) 講演
今回のゲストスピーカーは、川崎栄子さんでし た。川崎さんは在日コリアン2世として生まれ育ちましたが、17歳の時に「北朝鮮は地上の楽園」 という偽りの宣伝によって北朝鮮に渡り、過酷な環境で43年間生き延びたのちに脱北されました。現在、この未曾有の人権問題を訴えるとともに、 北朝鮮が自由と人権が保障される国になり、朝鮮半島の平和統一実現を目指し活動しています。

講演の中で川崎さんは、北朝鮮の港に到着して迎えに来た人々のひどい服装や、北朝鮮での食糧事情、移動や職業選択の自由がなかったことなど、事細かに説明されました。そして子供達を全員結婚させ親の責任を果たして還暦を迎えた後で、「北朝鮮の実情を世界に知らせなければ」と決意し、死を覚悟で脱北されたそうです。

川崎さんは「世界の平和のためには、今の世界で最悪の状況にある北朝鮮を崩壊させることが重要であり、⽣きてこの⽬で民主化された北朝鮮を⾒たいと思っている」と締めくくりました。

◾後藤亜也(グローバル・ピース・ファウンデ ーション・ジャパン 代表理事) 講演
講演に立った後藤氏は世界中で展開されているGPFの平和構築のアプローチを朝鮮半島問題にいかに適用するかを説明しました。

現在、北朝鮮問題の解決策として一般的にに唱えられている、①「非核化すれば2国体制を維持する」、② 「武⼒⾏使による強制武装解除」という⼆つの選択肢は、いずれも北朝鮮の人権問題や安全保障上の脅威を放置すること、あるいは朝鮮半島に莫大な被害をもたらすものであるとして、第三の道を提⽰しました。

それが、「共通のビジョンに基づいた平和統一」の道です。後藤氏は写真を⽤いながら、韓国で現在広がりを⾒せている、「コリアン・ドリーム」に基づ いた草の根の市民運動の様子を紹介しました。また統一コリアの実現が日本にもたらす平和や経済的な恩恵について解説し、日本の長所を活かして北東アジアの平和構築のために貢献する必要性を訴えました。

◾️パネルディスカッション〜私たちが変えられる変えられる北東アジアの未来〜
朝鮮半島問題の解決は、世界平和につながる

川崎:ロシア・ウクライナ戦争は今のところは局地戦ですが、一歩間違えば世界的な戦争に発展する可能性を秘めています。そこに北朝鮮は派兵しています。戦争がエスカレートした時に、プーチンは核とミサイルを保有している北朝鮮をどう使うのか。これは決して、楽観できる問題ではないし、世界中が関心を持たなければならない問題です。

後藤:朝鮮半島の問題を本質的に捉えてみると、ここには20世紀からの負の遺産と呼べるようなたくさ んの問題があります。植民地支配の問題もあれば、東⻄冷戦の残滓も分断という形であります。独裁の問題もあります。これらの問題は世界の歴史の中で、平和に向かっていくためには必ず克服していかな ければならない問題です。朝鮮半島の平和統一を成し遂げることは、これらの問題を世界が注目する中で乗り越え、世界中にある同じような、共通の課題を克服することができるテンプレート(雛形)を提供することにつながるのです。私たちはそのような意識で取り組んでいます。

日本の私たちが朝鮮半島問題に当事者意識をもつこと

川崎:朝鮮半島が安定しなければ、日本の平和も保障されることはありません。それは一番近い国だからですし、植民地支配したこともあり、一番関わってきた国だから、切っても切れないのです。 それに今は、米軍基地が日本にあります。そういうことからしても、北朝鮮問題を正しく解決しない と、日本は安全ではないということです。
後藤:北朝鮮の人々が常に命を奪われかねない状況の中にいます。もしも自分の子供だったら絶対に「そんなところに⾏くな」と言います。日本人は「和」を⼤切にすると言いますが、違う国の話になると途端に思いやれなくなりイマジネーションが湧かなくなるところがあるように思います。ですから映画などを活⽤してでも、まずは「知ること」から始めることが⼤切ではないでしょうか。知ることで、まずは気持ちが動くようになります。私も川崎さんから色々なお話を聞いて、「このままでいい」とは絶対に思えない、そういう気持ちになりました。

私たちの「1⽇1分」は⼤きな⼒を⽣む

川崎:私は当事者ですから、24時間こんなことばかり考えています。ですが皆さんには、1⽇に1分でもいいから、毎日、北朝鮮の人々のことを考えてほしいと思っています。飢えている人、強制収容所に入れられた人、抑圧されている人。・・・寝る前に、「今日は1分考えたかな」と振り返っていただきたいのです。ちょっとでも思い浮かべることで、それがつながったら、北朝鮮問題を解決する方法が⾒つかっていくのではないかと思います。
後藤:私も同意見です。1⽇1分、みんなが考えるようになれば、例えば⼀千万人が毎日1分考えるよ うになれば、何かが変わってくるはずです。一人一人の⾏動が変わってくるし、世論が変わり、国会に提出される法案の内容や外交政策まで変わってくるかも知れません。これが草の根の、人々の⼒という ものです。そしてそれは「知ること」で気持ちと⾏動が変わるということから始まります。ですから 「1⽇1分」というのはすごく⼤切な時間だなと思います。ぜひ進めていきたいと思います。

「1日1分の奇跡キャンペーン」にご参加を希望される方は、japan@globalpeace.orgまでお名前と参加表明をお願いいたします。

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