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第3回コリアンドリームZoom勉強会を開催しました | 2025.09.30 | Program 2.アジアにおける平和の文化の創造

2025年9月6日(土)「変化する北東アジア情勢〜朝鮮半島の平和統一は果たして可能なのか」をテーマとして第3回「コリアン・ドリームZOOM勉強会」を開催しました。

本勉強会は、韓国でベストセラーとなった書籍『KOREAN DREAM 統一コリアへのビジョン』の内容をもとにしながら、朝鮮半島の分断の歴史や東アジアの未来について理解を深めるオンラインセッションです。北東アジアの平和構築のための活動を行ってきた弊社(GPF Japan)と、朝鮮半島の平和的統一を目指す一般社団法人アクション・フォー・コリア・ユナイテッド(AKU Japan /川崎栄子代表理事)の共催で行っています。

今回も脱北者で人権活動家の川崎栄子代表をお迎えし、ワンコリア実現に向けた市民社会の取り組みや自身の思いを語っていただきました。また、8月に韓国で開催されたイベントの報告と朝鮮半島に対するビジョンとアプローチの解説をGPF Japan事務局長の芳岡隼介が行い、最後に参加者との質疑応答の時間も設けられました。
以下、話された内容の要約です。

「8月の韓国開催イベントの報告」GPF Japan 芳岡
8月に韓国で開催された「ワンコリア国際フォーラム2025」と「コリアン・ドリーム漢江(ハンガン)フェスタ」について写真を交えてご報告します。
8月14日〜15日に、韓国のロッテホテルで「自由で統一されたコリアのための国際的支援」というテーマで「ワンコリア国際フォーラム2025」が開催されました。世界各国の専門家や多くの市民が参加し、音楽や舞踊、アートなどを通して平和統一へのビジョンを共有しました。日本からの脱北者代表として川崎さんが登壇し、「自由で統一されたコリア実現のための海外同胞の役割」について講演されました。また、東アジア総合研究所の理事長である姜英之先生も「在日同胞は南北統一に主体的に参加することが歴史的使命である」というタイトルでお話をされました。
本フォーラムでは、今回の漢江フェスティバル組織委員長チョン・ウンチャン元国務総理やキム・ジンピョ元国会議長、現統一部長官のチョン・ドンヨン氏が登壇し、政権交代を超えてコリアン・ドリーム実現のための活動が継続されていることが示されました。そして、GPF理事長のヒョンジン・プレストン・ムン氏が基調講演を行いました。日本からは朝鮮舞踊と和太鼓の日韓コラボ公演(ONE UNIVERSE)も披露されました。
8月15日夕方からは「コリアン・ドリーム漢江フェスタ」が開催されました。混雑回避のため今回の趣旨に賛同する船会社から無償で提供された遊覧船でロッテホテルから移動し、多くの市民が漢江の水辺に集まりました。テコンドー演舞やオーケストラ演奏、統一をテーマにした楽曲の披露が行われました。ここでもヒョンジン・プレストン・ムン氏が基調講演を行い、人々が呼応する場面も多く見られました。
フィナーレはドローンショーと花火で夜空に彩られました。このドローンショーは、寄付者数1697人から、約7000万円の寄付金が集まり、多くの市民の協力により成功しました。こうした取り組みを通じ、今後も多くの参加者とともに「コリアン・ドリーム」の実現を目指すことが強調されました。

 

川崎栄子氏 「市民社会の取り組みや自身の思い」
川崎栄子氏 紹介
一般社団法人アクション・フォー・コリア・ユナイテッド(AKU)代表理事、NGOモドゥモイジャ会長、新ボトナム会代表。在日コリアン二世として京都で生まれ、高校3年生の時に在日北送事業により北朝鮮へ渡る。北朝鮮では在日帰国者として最底辺の立場で差別を受けながら43年間生活し、2003年に脱北。日本へ帰国後は在日帰国者の運命についての著書を執筆。その後、北朝鮮関連の裁判活動や街宣活動を行っている。

北朝鮮離散家族の安否確認・文通正常化キャンペーン
7月半ばにモドゥモイジャの事務局長の李ソラ氏と共に1ヶ月にわたり訪韓し、北朝鮮にいる家族の安否確認や文通の正常化を目的とした国際キャンペーンを実施しました。7月18日には国会議員会館で会議を開催し、国連韓国事務所や脱北者、関係被害者家族会の方も参加してくださいました。
また、切迫した状況を訴えるため、臨津閣で7月17日から1日断食を始めて、10月4日の離散家族の日まで80日間にわたり参加者が一人ずつ順番に断食を継続していきます。私も2日目の断食に参加しました。これにより、家族の生死確認の権利や文通の正常化は基本的人権であることを訴えました。さらに署名活動を通じて国連や国際機関に届け、問題の切実さを国際社会に訴える取り組みも行っています。

韓国での街宣活動と市民の反応
次に8月14日、15日に行われたAKUのイベントについて、印象的だったことやワンコリア実現に向けた好材料についてお話します。私たちはAKUのイベント期間中、韓国では初めて大邱や釜山で街宣活動を行いました。少人数(2人)での活動でしたが、韓国の人々から好意的な反応を得られ、釜山の市議会の前で朝6時から街宣をしていた時、2人の若い警察官が横断幕の内容に感銘を受けて「朝食をご馳走させてください」と温かく迎え入れてくれたことが自信となりました。

AKUのイベントと今後の活動
14日、15日のイベントは昼夜ともに盛大に開催され、ヒョンジン・プレストン・ムン氏の情熱的な演説やパフォーマンスを通じて、統一に向けた強い意志を感じました。その中で、私は派手な演出よりも、実質的な統一に向けた具体的な行動が示されることが重要だと感じました。その点では、AKU Japanは北朝鮮被害者としての経験をもとに裁判や啓発活動など、実質的な取り組みを積極的に行っており、行動力では優れていると考えています。10月29日に差し戻し裁判がありますが、勝訴結果は変わらないと思っています。これは、全体的なワンコリア実現のためにプラスになっていると思います。
また、AKU Koreaの代表ソ・インテク氏の活動も非常に活発なので、一度事務所にお伺いしお話もしました。今後はAKU Japanの活動と連携して関係を深め、より実質的な協力が進めば、ワンコリア実現に向けた取り組みがさらに前進すると感じています。

ワンコリア実現による日本のメリット
ワンコリア、統一された韓半島が実現した場合、日本にとっても非常に大きなメリットがあります。統一コリアになれば、正常で対等な隣国として交渉でき、さらに北朝鮮の豊富な地下資源を活用できるので、韓国の経済発展は格段に加速します。私は地下資源を研究する専門機関にいたので知っています。不思議なことに38度線は地下まで敷かれているかのごとく、北朝鮮にはダイヤモンド以外のすべての地下資源が存在しますが、韓国にはほどんどありません。統一コリアになった場合、民族的・精神的な統一だけではなく、物質的に膨大な利益をもたらすと考えます。それは、日本やアメリカ、世界経済の発展に良い影響を与えるでしょう。それだけでなく、拉致問題や離散家族問題など、人道的な課題も全て解決されるのです。

分断継続による日本のデメリット
一方で、分断が続く場合は、拉致問題は解決されないまま、横田めぐみさんも帰ってくることができず、私も家族に会うことができません。また、資源開発や経済発展も制約を受け続けます。北朝鮮は、自国の存続が脅かされない限り拉致問題を解決するつもりはなく、分断状態のままでは日本もその影響を受け続けることになります。ですから、日本も政府だけでなく、国民全体が統一コリアの実現に向けて真剣に取り組む必要があります。
もちろん、世界的な支援も不可欠です。地球上で唯一残っている韓半島の分断を解消するには、国際社会の連携と市民一人ひとりの意識が重要です。ワンコリアの実現は、地域の安定や発展だけでなく、世界全体にとっても大きな利益をもたらすと確信しています。

ワンコリア実現への自身の思い
私にとってワンコリア、統一された韓半島の実現は「生命そのもの」にかかわる問題であり、切実な思いを抱えています。2003年に脱北して以来、北朝鮮に残る家族とは再会できず、すでに23年が経過しています。特にコロナ以降は、北朝鮮が国境を完全に閉鎖したため、文通や国際電話、物資や金銭の送付もできず、家族の生死を確認できない状況が続いています。最後に末娘の声を聞いたのは2019年11月であり、それ以降はまったく連絡が取れない状況です。せめて以前のように文通や物資の送付が出来る状態に戻れればいいですが、今は八方塞がりです。今年83歳なので、本当に時間がなく自分の生命との競争をしています。家族と再会せずには死ぬことはできません。だからこそ、ワンコリアの実現が切実なことをご理解いただければありがたいです。

司会者:ヒョンジン・プレストン・ムンGPF理事長も、ワンコリアの実現により、経済的・社会的なメリットも大きく、国際投資や協力があれば、経済負担も分散されると指摘しています。過去の東西ドイツの統一のような負の遺産に縛られる必要はなく、国際的な支援を得ることで、統一コリアはより円滑に実現可能であると述べています。川崎さんの体験と知識から、統一コリアの重要性と、国際的な協力の必要性が強く示されたと思います。

「朝鮮半島の平和的統一への可能性を探る」GPF Japan 芳岡隼介
紹介
GPF Japan事務局長 北海道大学教育学部在学中から北東アジアの平和構築や朝鮮半島問題に関心を持ち、卒業後は就労支援員などを経てGPF Japanに入社。以降、脱北者支援や北朝鮮人権問題に関する啓発行事の運営責任者として活動し、コリアン・ドリーム勉強会も講師として開催している。三男三女の父。

2017年-2019年の外交交渉から得られる教訓
川崎さんの話をお聞きし、大変な状況の中でも地道な活動を積み重ねることが、大きな成果や平和への希望につながると思いました。文通の正常化や裁判での訴えなど、小さな努力が集合体となることで統一への可能性が広がると信じています。

2017年から2019年にかけて、南北首脳会談や米朝首脳会談が行われ、多くの人々が統一への期待を抱きました。しかし現実には統一は実現せず、北朝鮮を取り巻く地域の緊張は続いています。当時、北朝鮮は核実験を繰り返し、アメリカは制裁と軍事的圧力を強化しました。韓国や日本、中国、ロシアも歩調を合わせ、冷戦の枠組みを脱却し北朝鮮に制裁を行いました。金正恩氏は孤立感からムン・ジェイン大統領に接近し、北朝鮮と独自に首脳会談を行い、制裁緩和や朝鮮戦争終戦宣言の可能性を訴えました。アメリカは核放棄を条件に交渉しましたが、これは人道的な問題が解決されない方法であり、各国の共通のビジョンが不在であったため、北朝鮮に譲歩の隙を与える結果となり、核放棄も実現しませんでした。その後、2019年2月のハノイ米朝会談も決裂し、具体的な合意は得られませんでした。この経緯から学べる教訓は、国際社会が共通の目標を持たなければ、平和交渉は容易に崩れるという点です。

新冷戦構造への回帰と「コリアン・ドリーム」
そして現在、北朝鮮とロシア、中国の結束が再び強調されるなど、新たな冷戦構図が現れ、台湾有事や北朝鮮の暴発などのリスクも依然として存在します。私たちは21世紀を平和の世紀にするために、朝鮮半島の平和的統一と北東アジア全体の安定、いわゆる「コリアン・ドリーム」の実現を目指す道を真剣に考える岐路に立っています。

朝鮮半島の平和統一に関する各国の利害
コリアン・ドリームの実現可能性は、朝鮮半島と周辺国すべての利益にかなうものであるか、朝鮮半島と在外コリアンが主体的に関われるかどうかが問われます。「ひとりの夢は夢に過ぎないが、すべての人が同じ夢を見るとき、それは現実になる」というチンギス・ハンの言葉のように、市民や周辺国が同じビジョンを共有すれば、統一は可能だと信じています。朝鮮半島の平和統一は非現実的なのか?という問いと共に、各国の事情を見ていきます。

アメリカは世界最大の軍事費を有しながらも、ウクライナ戦争や中東問題、中国との覇権競争に直面し、朝鮮半島政策に十分な資源を割くのは容易ではありません。そのため、軍事力だけで解決するのではなく、平和統一を通じて根本的な火種を取り除く必要があるということで、「コリアン・ドリーム」の本は、アメリカの国防総省で推薦図書にもなっています。日韓米首脳は2023年にキャンプデビッドで、「自由で平和な統一朝鮮半島を支持する」文言を初めて盛り込みましたが、具体的な実現策はまだ示されていません。一方、中国やロシアは冷戦時代の枠組みから反対するという意見がありますが、中国は大国としての経済発展を続けるため、地域の安定を重視しており、安定的な環境があれば柔軟な対応も可能と考えられます。このように、周辺国の事情を踏まえつつ、平和統一の具体的な道筋を模索していくことが重要です。

中国は覇権主義や人権問題のイメージを脱し、責任ある大国として海外からの投資を呼び込み、貿易を活発化させて発展を続けたいと考えています。一方で、北朝鮮は中国にとって経済的な負担となっていますが、韓国との貿易は北朝鮮の100倍(3100億ドル、米国に次いで2位)にあたり、経済的メリットから見れば統一コリアとの関係を望む可能性があります。統一によって中朝国境地域を開発しやすくなり、在韓米軍の縮小や撤退が実現すれば安全保障上の懸念も緩和される可能性があります。また、中国が平和統一に関わることで、北朝鮮の核や人権問題解決など責任ある大国としての役割を果たす機会にもなります。過去には北朝鮮が中国を裏切る行動もあったり、朴槿恵元大統領に「自主的平和統一を支持する」と3回にわたり伝えているのを見ると、現在は韓国主導の統一でも条件次第で支持できる状況であると言えます。

ロシアは過去のソ連の栄光回復を目指しています。欧州には軍事的な対応をしてきたのに対し、極東では経済重視でシベリア・パイプライン構想もありましたが、北朝鮮の政治的リスクが高いことが妨げとなっています。朝鮮半島の統一は、ロシアにとって安全保障上の脅威ではなく、むしろ天然ガス輸出など経済的メリットが大きいと言えます。

日本は防衛費増大や北朝鮮のミサイル発射、尖閣諸島周辺の緊張などから安全保障上の危機意識が高まっており、「台湾有事は日本有事」という懸念もあります。そのため、日本はキャンプデビッドでは朝鮮半島の平和統一は支持する立場にあります。平和統一が進めば、拉致被害者救出などの課題も根本的に解決できる可能性があります。

韓国は高齢化や人口減少、天然資源不足といった課題を抱えていますが、北朝鮮の若い人口や資源と韓国の技術や資本を組み合わせれば大きな相乗効果が期待できます。安全保障面では北朝鮮の軍事力や核のリスクがあり、若者の兵役も負担になっています。冷戦時代の固定観念にとらわれず、周辺国の状況が変化している今こそ、韓国自らが民族の運命を決定できる時代です。そのため、ワンコリア国際フォーラムや各種フェスティバルを通じて、専門家や市民、脱北者、人権活動家など多様な人々が平和統一のビジョンを共有し、関心を持って関わる機会を増やす活動が行われています。こうした取り組みを通じて、統一コリアの実現に向けた市民的な基盤づくりが進められています。

統一コリアの各国のメリットと条件
統一コリアのメリットを整理すると、周辺国にとって安全保障と経済発展の両面で利益があります。韓国にとっては、国防上の負担が軽減され、北朝鮮の若い労働力や天然資源との相乗効果で経済成長が期待できます。日本にとっては軍備拡張の必要性が低減し、台湾有事のリスクも減少します。また、北朝鮮への投資や貿易が可能となり、新たな市場や経済成長の機会が生まれます。アメリカにとっては、北朝鮮から中東への核拡散の懸念が解消され、在韓米軍の負担も軽減されます。ロシアはパイプライン建設による経済的メリットを得られ、中国も安全保障上の脅威が軽減されつつ経済関係を拡大できる可能性があります。重要なのは、統一が進んでも安全保障面で脅かされず、経済的に発展できる条件が整うことです。
ハドソン研究所の礒崎先生は、朝鮮半島の平和統一が「東北アジア安全保障構造の根本的な再編」と「地域安定の革新的な役割」を担うと述べています。その実現のためには、国際的な一致した圧力と、北朝鮮住民へ希望のメッセージを伝える両方が必要です。

北朝鮮の内部情勢と体制の脆弱性
北朝鮮内部の状況を見ると、金正恩体制は限界に直面しています。金日成時代にはソ連の支援があり、情報統制が容易でしたが、ソ連崩壊後は配給制度も崩れ、金正日、金正恩時代に入ると国内の不満が高まりました。核や軍事力に頼らざるを得ない状況で、北朝鮮住民は市場経済を徐々に活用し、自らの生活を支えるようになっています。体制崩壊を恐れ、貨幣改革を試みましたが、住民が反対し今は市場を容認しています。また、外部からの情報流入も増え、平和統一や民主化への関心が内部に広がる可能性もあります。北朝鮮指導部にとっては、政権維持のため核に固執せざるを得ない状況ですが、平和統一に協力すれば生存できる最善の道が開けると考えられます。金正恩氏が統一路線を否定しましたが、裏を返せば内部には平和統一を模索する者がいる可能性があります。
まとめると、コリアン・ドリームは北東アジア地域と周辺各国の利益にかなうビジョンであり、朝鮮半島の平和統一は冷戦構造を脱却し、協力関係を再編する機会となります。また、北朝鮮内部にとっても希望のメッセージとなり、平和統一に向けた動きを後押しする可能性があります。「一人の夢は夢に過ぎないが、すべての人が同じ夢を見るとき、それは現実になる」という言葉の通り、市民や関係国が共通のビジョンを持つことで、平和統一は実現可能だということです。

質疑応答
質問者: 北朝鮮で不明になった家族の消息を知りたいのですが、調査方法はありますか?
川崎さん: 現状では非常に難しいです。北朝鮮で消息が途絶える場合、粛清や強制収容所への送致、山奥への追放などの政治的措置が考えられます。そのため、政府に正式に問い合わせても「わからない」と返される可能性が高いです。唯一の方法は、北朝鮮内部の知人を通じて調査してもらうことです。検閲を受けても文通の正常化や手紙のやり取りができれば、安否確認という意味での前進となります。
質問者: 北朝鮮で女性が首領になることは可能ですか?
川崎さん: 金正恩氏の娘の代までに韓半島の問題は解決していないといけないと思います。現状の政治体制や伝統から考えると可能性は低いです。金正恩氏の急死など特別な状況があれば、血縁維持の観点から金与正が台頭する可能性はあります。しかし、北朝鮮では世襲が政権維持の正当性と直結しているため、女性の首領就任は現実的には論じにくいです。
質問者: ウクライナ戦争で国際社会の関心が北朝鮮から離れる中、北朝鮮の人権問題を国際的に関心を持たせる方法はありますか?
川崎さん: 北朝鮮の人権問題を訴え続けるだけでなく、北朝鮮の軍人がウクライナ戦争でどのように扱われているかを発信することも有効です。捕虜となった北朝鮮軍人を通して現状を国際社会に伝えることも可能ですが、北朝鮮人権問題を大々的に取り上げる機会は限られています。
質問者: 北朝鮮は人権侵害の上に成り立っているように思います。文通の正常化のような小さな取り組みの次には、どのようなことを進めるべきでしょうか?
川崎さん: 市場経済の維持が重要です。北朝鮮では市場活動が経済と自由を支えており、抑圧されると経済が成り立たず、情報や自由も制限されます。市場経済を可能な限り発展させ、そこから自由化や民主化を進めることが現実的なアプローチです。

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