HOME >  グローバル・ピース・コンベンション2013がマレーシアで開催されました

グローバル・ピース・コンベンション2013がマレーシアで開催されました2014.01.10 | 

 会議は、「多様性の統一:普遍的大志、原理と価値観を通じての持続可能な平和のための社会的な凝集力」をテーマに3日間開催されました。
 40以上の国から参加者はまず、12月5日に逝去したネルソン・マンデラ氏に黙祷を捧げました。ケニヤの企業家であるマヌ・チャンダリア博士はマンデラ氏を「アフリカの中心」と称し、アフリカ大陸は「今日、彼なくしては、より劣ってしまう」と語りました。

 会議は、マレーシアのナジブ・ラザク首相の代理でイベントを共催であるマレーシア首相府のジョセフ・クルップ大臣が歓迎の辞を述べました。
 「多様性こそが、マレーシアのDNAの大いなる部分であり、多様性は呪いでなく祝福です。マレーシア人は相違に敬意を表して一つになるのです」
 同時に、クルップ大臣は、この素朴とも言える理想が政治的な予測不能性によって脅かされてしまったと認めました。宗教的な偏狭さと政治的な非難は、尊敬の枠組みを脅かしました。彼は、特にソーシャルメディアの使用を取り上げ、それが対立を煽り、宗教的な憎悪を広げたと述べました。
 そして、「我々は、将来の世代のために統一を保つために、道義的責任を持ちます」と締めくくりました。
 「将来を、政治で弄ぶならば、我々は築き上げたものを自ら破壊することになるでしょう」

パラグアイ上院議員のリリアン・サマニエゴ女史(上)とハジヤアミーナ・サンボ女史(ナイジェリア副大統領令夫人でNGO「I CARE:女性と若者のためのイニシアティブ」の創設者)

パラグアイ上院議員のリリアン・サマニエゴ女史(上)とハジヤアミーナ・サンボ女史(ナイジェリア副大統領令夫人でNGO「I CARE:女性と若者のためのイニシアティブ」の創設者)

  グアテマラで36年間続いた軍事独裁政権の後、民主的に選出された初の大統領であるヴィニジオ・セレーゾ元大統領(1986-91)は、、平和と民主主義を彼の国に、その後中米地域に平和をもたらした道程を詳しく語りました。その地域における民主主義のルーツを強化するため、GPFとの連携をしていくことを強調しました。

 ラテンアメリカ大統領ミッションは、創設後、20名の前大統領によって構成されるプロジェクトに発展しています。彼らは、民主主義の原理と実践を強化するとともに、アメリカ合衆国とのより良い関係を作り上げるために活動しています。

 またケニヤのマヌ・チャンダリア博士は、アフリカの若者が直面している課題に焦点当てました。彼は、大学または高い学校教育を受けた500万人のケニヤの若者が就業できない現状を述べ、GPFが、アフリカ平和部隊(Africa Peace Service Corps)のイニシアティブを通してサービスとボランティア精神の文化を育てるプラットホームを提供していることを賞賛しました。
 彼は、アフリカには土地、鉱物、そしてとりわけ人材などの資源が豊富である点である点に注目し、「多くの勤勉な人々がいますが、しかし50年前のGDPをマレーシアと同等だったケニヤなどの国は、今は後れを取ってしまいました。「アフリカに不足しているのは、変革のためのリーダーシップだったのです」と強調しました。

 ナイジェリア副大統領夫人のハジヤ。アミーナ・サンボ女史(NGO「I CARE:女性と若者のためのイニシアチブ」の創設者)は、最近確立したグローバル・ピース・ウィメンのナイジェリア支部の後援者です。彼女は、コーランの中の「アラーは種族と部族に分けた。これはあなたがたを、互いに知り合うようにさせるためである」によって啓発され、グローバル・ピース財団とのパートナーになったと述べました。

 第二日目の朝に行われた「統一と多様性のための基盤としての普遍的原理と共有価値観」の会合は以下のような多様なパネリストを招きました。

 パラグアイのリリアン・サマニエゴ上院議員、ナイジェリアの宗教間活動協会代表理事サンデー・オヌオハ司教、マレーシアより、穏健派財団グローバル運動議長のタン・スリ・ラザリ・イスマイル氏、インドネシア最大の7,000万人以上の会員を有するイスラム市民団体・ナドゥトゥル・ウラマ(NU)の事務総長マルスディ・シュフド博士。

 サマニエゴ上院議員は、リーダーシップにおける女性の台頭する役割に注目し、「昔の世代では想像も及ばなかったが、今現実になった」と述べました。そして、彼女は、リーダーシップをとると想定される女性こそが、家族内で始まるべき寛容性と尊敬のメッセージを送るのですと喚起しました。

 NUのシュハッド博士は、多様性の統一が、単にインドネシアの抽象的な考えでなく、インドネシアの国家性の原則であると述べました。何千もの島々、737の現地語、そして全ての主な信仰伝統を持ち、宗教的で文化的な多様性は、「神からの恩寵」であり、そして、NUは、「違いに対する抵抗力と敬意を進めることの他に類のない役割」を引き受けています。博士は、「互いを知る」という手段としての人間の文化、伝統と信仰の多様性を明らかに主張するコーランの教えを説明ました。

ナイジェリアの宗教間活動協会代表理事サンデー・オヌオハ司教(上段)とナドゥトゥル・ウラマ(NU)の事務局長マルスディ・シュフド博士

ナイジェリアの宗教間活動協会代表理事サンデー・オヌオハ司教(上段)とナドゥトゥル・ウラマ(NU)の事務局長マルスディ・シュフド博士

 オヌオハ司教は、簡単に話された後、深い尊敬に値するナイジェリアの宗教指導者と1億7000万人の国の中で、キリスト教徒とイスラム教徒が、真の敵であるマラリアの伝達者である蚊との戦いにおいて共同で働いている様子を描いた心に訴える映画メッセージを届けました。

 穏健派財団グローバル運動議長のタン・スリ・ラザリ・イスマイル氏は、多様性の中に平和と統一の人間の探求を聞いて、感銘を受けましたと述べました。「しかし、物事の本当の現実を対処する際、我々は何かしらの難題に直面します」と、彼は付け加えました。「経済理論と優れた政策があっても、絶望的な方針で生き、政治的暴力によって抑制される多くの人々には到達しませんでした。取り残された人々を対処する国家政策に、果たして十分な同情があるのでしょうか?」
 同氏は、東南アジアの犯罪の裏世界は、人身売買をはじめとする様々な抑圧があることを指摘し、「あなたはそれがハリウッド映画だけだろうと思いますが、しかし、そうでありません。我々は繁栄している人々の間で共有した価値観について語ることはできます。しかし、取り残された人々、汚染された大地で汚染水を飲んでいる人々のことを我々は決して忘れてはいけません」と訴えました。 
 そして、より献身的で、より高次のリーダーシップを求める訴えで話を締め括りました。「政府に対する依存では明らかに不十分です、世界の取り残りされた人々に薬と他の必需品を提供するための改革と効果的解決のために『底上げ』が必要な時なのです」

 最終日の7日夜には「2013グローバル・ピース•アワード」の授賞式が開催されました。グローバル・ピース・アワードは、各分野で世界平和に貢献した人たちに授与される賞であり今年が5回目となります。

 グローバル・ピース•アワードは分野別に、超宗教指導者賞にナイジェリアのサンデー・オヌハラ司教、グッドガバナンス賞にパラグアイのリリアン・サマニエゴ・コロラド党代表、革新文化賞に、コスタリカのオスカル•アルバレス元中国在住コスタリカ大使、家庭強化賞にケニヤの社会活動家であるリ・マラング氏、奉仕賞にフィリピンのガウデンシオ・ロサレス枢機卿が選ばれました。
 そして、この授賞式にはナジブ・ラザク・マレーシア現首相が出席し、平和文化振興賞(Award for promoting a culture of peace)を受賞しました。

前のページへは、ブラウザの戻るボタンでお戻りください。
このページのトップへ