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韓国・ソウルでグローバル・ピース指導者会議が行われました2014.10.22 |
韓国グローバル・ピース財団(GPF Korea)、統一を実践する人たち、汎市民社会団体連合、以北道民中央連合会など400以上の市民団体や与野党国会議員が共同主催した「2014地球村平和を実現するための指導者大会・グローバル・ピース指導者会議」が、ソウル・グランドヒルトンホテルで9月29日、イ・ギテク名誉会長の開会宣言により幕を開けました。韓国政府の統一部、外交部、民主平和統一政策諮問会議などが後援するこの大会は、市民団体が中心となって、主要宗教団体の指導者たちや与野党議員、22カ国の在韓公館長、在日・米・中の韓国人連合会の代表団など550人が参加した中で開催されました。
大会では「統一コリアのビジョン、原則と価値」というテーマのもと「統一国家が追求しなければならない精神的原則と価値に対するビジョン」が討議され、ムン・ヒョンジンGPF理事長の新刊本『コリアン・ドリーム:統一コリアのためのビジョン』の出版記念式典も同時開催されました。
GPF理事長は「統一コリアへと導くことができるビジョン、原理と価値―は、統一のための準備の重要な部分ですがそれが十分に議論されていない」と前置きした上で、「南北が共感できる統一の目標とビジョンで先に合意しなければならない。それが羅針盤の役割を果たせば過程は難しくない。韓国と北朝鮮が一つだった時の5,000年の歴史の根源を探して韓民族のアイデンティティを回復することが先だ。統一は、檀君(ダンクン、朝鮮の伝説上の始祖)の掲げた『弘益人間(ホンイクインガン、広く人間社会に利益をもたらすこと)』の理念をベースに、東アジア共同体を構築して進んで世界平和に寄与する踏み台になるだろう」と強調しました。
戦略国際問題研究所(ワシントンD.C.)のシニア•アドバイザーと韓国議長であるビクター•チャ博士は、朝鮮半島の分裂と朝鮮戦争の終結以来、統一の変化の視点の概要、そして最近の統一についての態度が大きく変化していると語りました。同博士は、朴槿恵大統領が、統一が成長や投資を呼び込む機会となるという観点を強調しており、中国に対しても経済的な結びつきを強めることを通して、中国を韓国側に引き入れたいと考えていると指摘しました。
また、ヘリテージ財団(ワシントンD.C.)の創設者であり、アジア研究センター会長エドウィンJ•フェルナー博士は、南北の平和的または段階的な統一のありのままの評価を発表しました。「朝鮮半島統一には、非常に単純に、基本的な政治的、経済的な北朝鮮の改革または、政権崩壊のどちらかが必要になるが、残念ながら金正恩氏は、明らかに彼の前任者がそうであったように、改革に対して抵抗感を持っている」と同博士は話しました。
日本からの参加者の一人Hさんは、「今回のカンファレンスは、ビジョンの力を改めて感じることができた。『コリアン・ドリーム』というビジョンに向かい、『弘益人間』というアイデンティティを理解することが、朝鮮半島だけでなく、21世紀のアジアの平和の中心思想になる可能性がある」と語りました。
Hさんは今年2月東京で開催された「日韓平和学生フォーラム」で韓国人学生Jさん(脱北者)と親しくなり、北朝鮮から脱出してきた話を聞きました。壮絶な環境を越えて韓国で生活している内容に衝撃を受け、「この出会いをきっかけに朝鮮半島の南北分断の問題は他人事ではなくなった」とHさんは語りました。Hさんはその後も、韓国に訪問するたびにJさんと交流を続けてきましたが、韓国人学生たちの脱北者に対する考え方が様々であることを気付いていました。その中で、Hさんは今回の大会に韓国の保守派と進歩派の指導者が参加したことに、「コリアン・ドリーム」が人を結びつける可能性があることを感じました。
大会の中で、GPF理事長は統一の具体案に関して、市民団体とNGOの役割を強調しました。「今は政府主導型から国民の直接参加型に変わらなければなければならない」とし、統一の障害物としては無関心を挙げました。今回の大会では、数多くの韓国の大学生たちがボランティアとして運営スタッフを務め、南北統一というイシューが韓国内でも関心事となっていることを物語っていました。