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ケニアのリフトバレーでオールライツ・ビレッジ・プロジェクトを評価2013.10.14 |
2007年末のケニアの大統領選挙の直後、部族間紛争が深刻化したリフトバレー州において、グローバルピース財団(GPF)は人格・平和教育プログラムなどを実施し、和解と団結の文化を創ることに貢献してきました。
さらに、2012年7月、同州ナクル郡モロ地域のムタテ小学校において、オールライツ・ビレッジ・プロジェクトとして100台のソーラー充電LEDライトを100家庭に寄贈しました。電気のないモロ地域の村にLEDライトを寄贈することは、地域のリーダーを巻き込んだ包括的な地域開発の第一歩として位置づけられていました。
1年後の2013年7月、ケニアと国際本部のGPF代表チームがムタテの村を訪問し、地域社会に与えたインパクトを調査しました。代表団は、健康、教育、生活、地域団結、安全面で重要な変化があったことを確認しました。
LEDライトを使用する以前、電気のないモロの村人は有毒ガスが発生する灯油ランプを屋内で使うしかありませんでした。ぜんそくなど汚染空気による病気が多く見られたのです。しかし、LEDライトを使用することによって、屋内の空気は改善し、2人の子どもを持つ母親は、「子どもの健康が改善し、子どもがこの7ヶ月間、胸の問題を訴えていません」と述べました。
ムタテの村にはまだ読み書きのできない人が多くいます。このことが労働の機会を奪い貧困の原因にもなっています。LEDライトの使用によって、日没後も勉強する機会が得られるため識字率の向上に役立っています。ムタテ小学校のジョセフ・キマニ副主任教師は、「現在、生徒たちは学校の夕方行われる勉強に来ることができるし、他の生徒も家で勉強できるのです。ケニア小学校標準テストで300点以上取った生徒が6人もいたのは初めてのことです。昨年はたったの1人だけでした」
ソーラー充電LEDライトは地域の家計にも助けになりました。「1年前にGPFからソーラーライトをいただいてからは灯油を買う必要がなくなりました。このことで、家庭の中で他に必要だったことが可能になったのです」と、現地に住むデビット・ムブル氏は述べました。
また、部族間の違いを超えて地域社会の和解と団結が促進されました。5人の子どもを持つ母親のエリザベス・ワンガリさんは、「私たちは今でもテントの中で生活しているのですが、子どもたちが部族の違いを気にせずに、一緒にソーラーライトを分け合って使っているのを見ると、平和のために役立っていると感じます」と述べました。ワンガリさんの5人の子どものうち、2人がムタテ小学校に通っています。
ムタテの村には、ソーラー充電LED街灯が2機設置されたため、盗難などの犯罪の減少にも役立ちました。ムタテ警察副本部長のアレックス・ガチェン氏は、「牛泥棒がとても頻繁に起こっていた地域ですが、ソーラーライトが来てからは減少し、家の中の盗難も減りました」と評価しました。
ムタテ地域を訪問したGPF代表チームは、地域のリーダーシップを強化し、さらに健康、教育、雇用などの改善のためのプログラムを支援することを誓いました。