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朝鮮半島問題を見る視点②~3.1独立宣言文に見る普遍的な精神~2019.01.25 |
年末年始は、韓国海軍の駆逐艦が、海上自衛隊のP-1哨戒機に対して火器管制レーダー(射撃管制用レーダー)を照射したとされる問題で、両国の主張が真っ向から対立し、日韓関係は一層冷え込みました。
そのような中、あと一か月ちょっとで3.1独立運動の100周年を迎えます。韓国では3月1日に向けて、北朝鮮の首脳を韓国に招待するという動きもあり、抗日運動の歴史が南北融和をすすめる契機になるかもしれません。
当然、日本ではそれを警戒しており、さすがにうんざりした空気もあります。例えば、紛争問題の専門家である東京外国語大学 大学院総合国際学研究院 教授は、以下のように警鐘を鳴らしています。
https://blogos.com/article/352229/
しかし、しかし、3.1独立宣言文には、抗日・反日独立を目指すというよりはむしろ、同じアジア諸国としての日本政府や中国との友好を強調していたということはほとんど知られていません。というより、独立宣言文を読んだことがある人は、韓国人でもほとんどいないでしょう。
例えば、
一、今日我らのこの行動は正義、人道、生存、尊栄のための民族的要求であり、自由的精神を発揮するものであり、決して排他的感情に逸走してはならない
一、最後の一人まで、最後の一時まで民族の正当な意思を快く発表せよ
一、一切の行動は秩序を最も尊重し、我の主張と態度をあくまで光明正大とすること
といった公約が示されています。「決して排他的感情に逸走してはならない」という言葉は、排外的なナショナリズムでないことを宣言しています。宗教者が中心となって作成されたということもあり、崇高な精神が謳われています。
2月10日は、3.1独立宣言文の内容を学び、その本来の意味と現代にも通じる普遍的な価値を考える勉強会が一般社団法人アクション・フォー・コリア・ユナイテッド主催で開催されます。
https://www.koreaunited.jp/news/87
3.1独立運動に先立って、2月8日に在日朝鮮人留学生たちが、在日本東京朝鮮YMCA(現在の在日本韓国YMCA―以下YMCA)の講堂で独立宣言を発表し、それが3.1独立運動を引き起こす導火線となったことはあまり知られていません。
この勉強会はその在日本韓国YMCAで行われます。