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どこまで当事者意識を持つべきか?2021.05.25 |
いきなりですが、個人的にちょっと疲れています。
季節の変わり目で湿気も多くなってきたというのもありますが、ここ3週くらいヘビーなニュースが多かったからです。
一つはパレスチナでの紛争の激化。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの空爆が続き、ガザからもロケット弾による砲撃が再開しました。バイデン米大統領がイスラエルのネタニヤフ首相に停戦を促すも、同首相はイスラエル国民に平穏と安全を取り戻すまで攻撃を続けるつもりだと述べたといいます。
すでにパレスチナ側の犠牲者は200人を超えています(イスラエル側は10人超 5月20日時点)。21日に停戦合意がなされましたが、今後の情勢はまだ不透明です。
二つ目は入管法改正に関する問題。難民認定手続き中の外国人でも、申請回数が3回以上になったら強制送還できるようにする入管難民法改正案が与野党の激しい攻防の末、今国会での採決が見送られることになりました。入管施設に収容されていたスリランカ人女性が死亡したことをきっかけに改正案への批判が高まっていたことも大きいでしょう。
三つ目はミャンマーにおける軍による市民の弾圧。ミャンマーでは2月に軍によるクーデターが起き、アウンサンスーチー氏をはじめとする政府の閣僚が拘束されました。さらに街頭でデモによる抗議活動をした市民に軍が発砲するなどして、これまでに700人を超える方が犠牲になっています。これまで非暴力的な手法を取っていた市民の側でも、武装組織に入る若者も増えており、内戦の一歩手前のような状況になっています。
これらのニュースはメディアでもSNSでも繰り返し取り上げられています。SNSでは様々な団体・個人が、「市民による連帯」の呼びかけを行っており、これらの問題に対するアクションを自分に対して直接に促されているように感じた方も多いのではないでしょうか。
何でこんなに疲れたんだろうとふり返ってみると、感情に訴えかける映像や写真をあまりにも多く見て、「自分はどうしたらいいのか?」「自分に何ができるのか?」と考えることに対して、イップス(思考停止)のような状態になっていたようです。
皆さんも、深刻な社会課題の現状を見て、何かしないといけないとは思っても、その背景や構造的なものまで理解するだけの時間や余裕はなく、ヘタに何かして炎上するのもまずいということで、結局何もしない(できない)自分に対して忸怩たる気持ちになったことはありませんか?
特にSNSが普及し、膨大な種類のニュース(社会問題)が断片的に受容することが多くなって、「社会の問題に対して当事者意識(責任感)を持たないといけない」と真面目に考える人ほどそうなりやすいのかもしれません。
そんな時、やはり自分の中に優先順位というか基準を持っておくことが重要ですね。組織でも「何をやるか」だけなく、「何をやらないか」を決めておくべきであるとよく言われます。
責任を持てないことに対しても責任を持とうとすること自体が無責任なのかもしれません。自分の責任分野の中で成果を出しつつ、責任を持てる範囲を増やしていくしかないのかなと今は整理しています。